北海道の岬

 

日本人は『岬』というのものにこだわるようで、どこに行っても岬の類があります。

 ほとんどの岬が観光地化され土産物屋が建っているのですが、

北海道の岬には手つかずの岬が数多く残っています。

ずっとそのまま残っていて欲しいのですが・・・

○北海道の端点(北海道本島の端点です。)

東端:納沙布岬(北海道根室市)東経145度49分17秒 北緯43度22分57秒】【日本本土最東端】

西端:船隠(北海道瀬棚郡北檜山町)東経139度46分10秒 北緯42度18分30秒】(未訪問)

南端:白神岬(北海道松前町)【東経140度12分03秒 北緯41度23分42秒】(未訪問)

北端:宗谷岬(北海道稚内市)【東経141度56分27秒 北緯45度31分13秒【日本本土最北端】

○北海道の岬

◇道北の岬

ノシャップ岬

(道北)神威岬

◇道東の岬

納沙布岬

落石岬

霧多布岬

アゼチ岬

◇道央・道南の岬

襟裳岬 汐首岬 神威岬

ノシャップ岬 (北海道稚内市)

 野寒布と書いて『ノシャップ』と読む。アイヌ語では『ノッ・シャム』といい、『陸地が顎のように突き出た所』という意味があります。厳しい自然環境から『波の砕ける所』という意味もあるとか。

 1995年(平7年)頃は、だたのコンクリート護岸に看板があるだけの殺風景な岬で、最果ての岬というイメージを持って訪れた私の期待を完全にぶち壊してくれましたが、今では改修されて立派な岬になっています。

 稚内市街の北側にあり、ここからだと礼文島・利尻島を赤く染めながら沈む夕陽が見ることが出来ます。ゆえに観光名所となっていて観光客が多く訪れます。

 岬周辺には稚内灯台やノシャップ寒流水族館などがあります。

(1995年9月訪問)

(道北)神威岬 (北海道枝幸郡浜頓別町)

 道北の浜頓別町と枝幸町の境にあるのが神威岬(かむいみさき)。山がそのまま海に落ち込んで行く所にあたり、絶壁の岩壁が迫って来る様は迫力があります。

 神威岬には大亀伝説があり、『岬には大亀(すなわち神)が住んでおり岬の沖合を通行するときは海に酒を注いだ』という話が残っています。アイヌ語で『カムイ』とは『神々の住む場所。神聖な場所』という意味らしく、岬の光景を見るとそういう伝説が残るのも何となく分かるような気がします。

 岬には灯台があり、ここまで登って行けるようです。灯台下の旧R238の前には岩礁があり、岬であることを感じさせてくれます。

 岬の南側(枝幸町側)には神威岬を一望出来る展望台があります。ここから岬を見ると山がそのまま海に入って行くのがよく分かります。

 岬の先端をぐるっと回るようにして旧国鉄興浜北線の廃線跡が残っていますが、歩けるかどうかは分かりません。岬を回る道路(旧R238)もありますが、海岸線のすぐ近くを通る為に風の強い日や波の高い時は走らない方が無難です。岬経由の旧道は冬期通行止めとなります。

(2000年9月訪問)

落石岬 (北海道根室市)

 根室半島の付け根付近にある岬が落石岬。岬は約40mの断崖絶壁で、足下の断崖に波が打ち付ける景色は豪快。岬には灯台以外何もなく、岬らしい岬です。

 r142から分岐する道を岬に向かって南に走るとやがてダートとなります。500mほど走るとゲートに到着。バイク・車で入って行けるのはゲートまでで、ゲートから先は徒歩となります。自転車でも遊歩道入口までしか進めません。

 岬周辺は国の天然記念物のサカイツツジが自生する湿原なので、木で組まれた遊歩道(木道)を歩いて行かねばなりません。距離が結構あるのでライダーブーツやヒールで歩くとかなり疲れます。

 6月頃は赤い花が一面を覆い見事な風景となるそうです。

 なお岬周辺は霧の発生が多いので、歩くときは気を付けて下さい。

(1998年9月訪問)

霧多布岬 (北海道厚岸郡浜中町)

 霧多布半島の東側の岬。霧多布岬(きりたっぷ岬)は、正式には湯沸岬(とうふつみさき)と言います。またトッカリ(アザラシ)を見かけることからトッカリ岬とも言われています。

 岬に向かう道道の終点は駐車場となっており、駐車場のからはダートの遊歩道を歩かねばなりません。10分ほど歩くと灯台に到着。さらにその先に断崖絶壁の岬があります。灯台以外には何もなく岬らしい岬です。

 岬の先端からは、アザラシのいる帆掛岩を見ることもできます。望遠レンズで覗いてみると確かにアザラシが群をなして居ました。

 霧多布岬はその名の通り霧の発生が多い所です。視界も10m以下となるとかで、霧の日に岬に行くのはかなり危険なので注意して下さい。

 駐車場脇にはキャンプ場があります。

(1998年9月訪問)

アゼチ岬 (北海道厚岸郡浜中町)

 霧多布半島の西端の岬で、霧多布岬の反対側に位置します。夕陽の名所として知られ、晴れた日は海に沈む夕陽と分刻みに変わる色の移り変わりを見ることが出来ます。

 岬からは琵琶瀬湾(びわせわん)と湾内にある小島・ゴメ島・嶮暮帰島(けんぼっきじま)が一望できます。湾内の無人島は鳥の楽園だそうで、たくさんの鳥が乱舞

しています。アゼチ岬では海鳥エトピリカが観察出来るそうです。

ちなみに嶮暮帰島(けんぼっきじま)は初代ムツゴロウ王国があった島です。

 岬には駐車場と展望台しかなく、ゆっくり出来ます。

(1998年9月訪問)

襟裳岬 (北海道幌泉郡えりも町)

 宗谷岬の反対側にあるのが襟裳岬。風の岬としても有名で年中強い風が吹いています。襟裳岬は、北海道の背骨である日高山脈が海に没するところで、岬自体は尾根の上にあることになります。

 岬には駐車場と展望台があり、岬先端の岩礁にはゼニガタアザラシが昼寝しています。それだけならば岬らしい岬なのですが、土産物屋から大音量で流れる演歌が雰囲気をぶち壊してくれています。

 岬へは、帯広からだとR236〜R336〜r34を走ってくることになります。ただし襟裳岬の風は半端ではありません。風が強い日であればバイクごと流され、下手すると荒れ狂う海に放り込まれます。

 道の途中にバイクを停めて歩いて岬のYHに向かう話はよく聞きます。死にたくなければ強風の日は走らない方が良いでしょう。

 1995年(平7年)の北海道ツーリングの時は、日没後に最大瞬間風速25m/sという風の中を南下しました。対向車線の路肩を低速で走っても、センターラインを越して反対側の路肩まで流されてしまい、必死に転けるのをこらえていました。道の左側は海だったので、落ちれば間違いなく死亡していました。北海道の自然の怖さを様々と見せつけてくれる所でもあります。

 岬の近くには『風の館』という風をテーマにした施設があり、風速25m/sを体験出来るそうですが、金を払うまでもなく風速25m/sの風を体験出来る所なのです。かなり危険ですけど・・・

(1995年9月訪問)

汐首岬 (北海道亀田郡戸井町)

 道南の東側にある亀田半島の岬が汐首岬。北海道と本州を結ぶ最短地点だとかで、対岸には下北半島の陸影が見えます。R278沿いにあるのですが、岬という感じは余りせず海岸という感じです。看板がなければ見逃していました。

 聞いた話では、ここと下北半島の間に青函海峡大橋を架けようという壮大な計画があるとか。

(1997年9月訪問)

神威岬 (北海道積丹郡積丹町)

 積丹半島の先端にある積丹岬の西側にあるのが神威岬(かむいみさき)。

昔、女性を乗せた船が岬付近を通行すると海が荒れて船が転覆すると言われ、1856年(安政3年)まで女人禁制の地であったそうです。

 今でも駐車場から岬までの遊歩道の途中には、女人禁制を示す門が残っています。

 以前はR229沿いの駐車場から延々と海岸線を通って岬まで歩いていたそうなのですが、1995年(平7年)頃に現在の新しい駐車場と遊歩道が完成したので、岬まで約20分で行けるようになりました。昔の遊歩道も残っているのですが、落石の危険があるとかで通行止めになっていました。

 岬の先端までの遊歩道は尾根の部分を歩きます。多少アップダウンがありますが、階段などが整備されており楽に歩けます。遊歩道からはいろんな形をした岩を見ることもできます。岬先端からの眺めは非常に気持ちが良く、岬に立ったという気がします。付近の海は大変綺麗で、透明度もかなり高く潜れば気持ちいいのかも知れません。

 遊歩道には照明などないため日没後歩くことは出来ません。風雨の強い時も大変危険です。

 駐車場へは7〜17時の間だけ入ることが出来ます。食堂併設の土産物屋もあります。ここに住むカラスは頭が良く、訪問したときにネットにくくりつけていた朝飯(おにぎり)をつついて食べられてしまいました。

(1997年9月訪問)

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