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地球深部探査船『ちきゅう』

 日本が建造した地球深部探査船『ちきゅう』は、世界で初めてマントルや地震発生域への大深度掘削を可能にした探査船です。「統合国際深海試掘計画(IODP)」に参加するべく建造された探査船で、2001年(平13年)4月末に建造開始。2002年(平14年)2月末に進水し、2005年(平17年)7月末に竣工しました。

 この船の特徴は船中央にある巨大な”やぐら”。船底からこの”やぐら”(デリックと言います)のてっぺんまでの高さは約130m、30階建てのビルに相当する高さです。そんな巨大な船なのです。

 その探査船が熊野灘沖での試験採掘を前に大阪港天保山岸壁に寄港。2006年(平18年)6月18日(日)に大阪港天保山にて一般公開されるとのことなので、一般公開に参加してきました。

◆船の主なデータ

全 長

210m

艦 幅

38.0m

満載喫水

9.2m

深 さ

16.2m

総トン数

約57500トン

最大乗員数

150名(乗組員100名/研究者50名)

推進装置

サイドスラスター/2550kW(3470PS)×船首部1

 

アジマススラスター/4100kW(5710PS)×船首部3、船尾部3

最大船速

12ノット

発電機容量

35000kW

(主発電機 5000kW×6/補助発電機 2500kW×2)

造船所

三井造船玉野事業所

艤装

三菱重工業長崎造船所(香焼工場)

●船が来た

 天保山岸壁には2006年(平18年)3月に海上自衛隊の練習艦隊が寄港したときに訪れています。その時と同じく、今回も桜島側から天保山に向かうことにします。天保山岸壁の対岸にある天保山渡船乗り場から船の全景を見ることができるのですよ。

 さて当日、JR桜島駅近くの駐車場に車を止めて歩いて天保山渡船乗り場に向かいます。すでに駐車場から『ちきゅう』の巨大な姿が見えています。予想外に大きい船です。USJの前を歩いて天保山渡船乗り場に向かう道を南に歩いて行くと、工場街の中に巨大な”やぐら”(以下デリック)が立っていることに気が付きました。白い船体の一部も見えています。 

 写真を見ると工場の一施設のように見えますが、これは海に浮かぶ船の設備なのです。一体、どれほど大きな船なんでしょうか。ワクワクしながら天保山渡船乗り場に向かいました。

 

 ほどなくして天保山渡船乗り場に到着。

 

 

対岸を見ると・・・

 

 

 

 

でかい! Σ(゚Д゚;)

 

 

白い船体の後ろに見えるのは、

2006年4月、天イ呆山にオープンしたばかりのバンジージャンプ「往生しまっせ」の”やぐら”・・・

 

ではなく、探査船『ちきゅう』のデリックです。(^^)\(_ _;)

 

めちゃくちゃ高い。

 

比較対照となるのが、左にある天保山大観覧車。

世界最大級の直径112.5mよりも高いじゃないですか!

 

それもそのはず。

水面からてっぺんまで約112mもあるそうです。

 

断っておきますが、このデリックは探査船の一設備です。

 

船尾。左端のオレンジ色したのが煙突。デリック

の後ろには巨大パイプが積まれています。

艦中央付近にあるライザーパイプ。デリックに吊り

下げられ海底まで下ろされます。

船の上に小さなビルが載っているように見えま

す。研究区画と居住区画です。

 

天保山渡船乗り場がやってきました。デリックが

あるので大きく見えるようです。

渡船上から撮影。デリックと大観覧車が比較でき

ます。

 

 天保山渡船で天保山に渡ります。船に興味ない人でも、探査船のあまりの大きさに驚いていたようです。実際のところ、デリックを除いて船体自体だけを見るなら、船体自体は大型客船より少し小さめの大きさです。

 船の全長は210m。JR東海道線のだいたい10両編成の新快速電車ぐらいの長さ。船の幅が38m。対照となるものを探したら、フットサルのピッチサイズ(38m×18m)と同じでした。

 クルーズ船として有名な『飛鳥U』が、全長241m、幅が29.6m、総トン50142t。イギリスの豪華客船『クイーンエリザベス2』が、全長294m、幅32m、総トン数70327t。探査船と客船ということで一概に比較はできませんが、船体自体の大きさだけで見るなら、これら大型客船よりも少し小さめというところです。探査船でいろんな装備、高いデリックがあるために”大きな船”という印象を受けるのでしょう。

 

 

 

船尾から見るとこんな感じです。

 

やはりデリックが船の大きさを際立たせているようです。

 

●岸壁から

 乗船するために船の中央付近にある受付に向かいます。日曜日でもあるので、家族ずれの姿が目立ちます。天保山に遊びに来てたまたま立ち寄ったという感じです。

 受付を済ませてタラップで船に乗り込みます。その前に岸壁から船を見上げてみます。デリックを真下から見上げると建設中のビルのように見えます。真下から見るとてっぺんが見えません。

 遠くからだとそんなに大きくは見えなかったクレーンが、実はかなりの大きさであることが分かります。このクレーンはライザーパイプやドリルパイプを船上でつり上げたり、船上で移動させたりするために、合計4基搭載されています。前の2基が45t、後ろの2基が85tまでの物をつり上げることが出来るそうです。船の大きけりゃクレーンもでかいのです。

 デリックと後部のライザーパイプ置き場の間にある施設は泥水関連装置などを収めているそうです。泥を調合したり、海底まで泥水を運ぶポンプ、海底から上がってきた泥水から堀クズを回収する装置などがあるそうです。 階段を見ただけでもビル4〜5階ぐらいの高さがあります。工場のプラントそのものでした。

左舷のクレーン。こちらは45tまでつり上げること

ができます。

デリックを見上げるとこんな感じです。台座付近は

ドリルフロアという施設です。

左舷後部のクレーン。前部のクレーンとは構造が

違います。

 

観覧車から撮影した『ちきゅう』。左舷側を撮影し

ています。

同じく艦尾付近。上から見るとこんな配置になって

います。茶色い車みたいなのは救助艇です。

 

●スラスター

 受付を済ませてタラップで甲板に上がります。すぐに船内に入り廊下を歩いて行くと、とある部屋に誘導されました。本棚があって小説や文庫本、図鑑などが置かれています。休憩所というか娯楽室のようです。椅子が並べられおり、正面にスクリーンが設置されています。やがて探査船『ちきゅう』の案内ビデオが放映されました。船の概要、探査方法などを案内する15分ほどのビデオでした。

 そのビデオによると、探査船『ちきゅう』は一般の船のようなシャフトとスクリュープロペラはないそうです。「スラスター」と呼ばれる推進システムが合計7基だけあるだけとのこと。「スラスター」は

船に搭載されている発電機で作られた電力で駆動する巨大モーターのような機械だとか。エンジンがなく発電機だけが搭載されている車があるとして、その車のタイヤ1本に対して電気駆動のモーターが1つずつ付いているという感じですかね。

 ちなみに1つの「スラスター」に対して1つの発電機というのではなく、発電機6基(さらに補助が2

基)で発電した電力を1つにまとめ、必要に応じて各スラスターに必要量を分配するようになってい

るそうです。なお、探査船『ちきゅう』には発電機を稼働させるための170馬力のディーゼルエンジンを6基搭載しています。発電機1機に対してディーゼルエンジン1機ということになっているそうです。なので煙突があるのです。

 

 では、なぜ「スラスター」という推進システムを採用したか?

 

 シャフトをもうけると、どうしても船底にはシャフトを通すスペースが必要となります。そうなるとパイプを海底におろすために船底に開口部が必要な探査船『ちきゅう』のような船は、その設計がかなり困難になってしまいます。シャフトがどうしても邪魔になってしまうのです。そこで・・・

 

つ【スラスターシステム】

 

 シャフトのいらない「スラスター」なら、船底の自由な場所に設置できます。開口部を避けさえすれば、どこにでも設置できるというわけです。システム1つ1つが独立しているので、 306度自由に向きを変えることができます。「スラスター」の向きを変えることで船の進行方向を変えるため、探査船『ちきゅう』には船に必ずある”舵”はないそうです。

 また探査船の場合、海上の同じ場所に長期間とどまる必要があります。陸上とは違い、海上では潮の流れですぐに流されてしまうため、絶えず同じ位置にとどまることは不可能です。そこで・・・

 

つ【自動船位保持システム(DPS)】

 

 「スラスターシステム」はシステム1つ1つが独立しているので、それぞれに自由な角度に向きを変えることができます。これにGPSを利用した自動船位保持システム(DPS:Dynamic Positioning System)というシステムを用い、絶えず同じ位置にとどまるように、コンピュータで1つ1つのスラスターの角度(方向)と回転力を調整。最大で風速23m/s、波高4.5m、海上流速3〜4ノットまでなら、半径15m以内の位置にとどまることができるそうです。数ヶ月〜1年ぐらいは海上の同じ位置にとどまることができるとか。すごいシステムを搭載しているのです。(゚Д゚;)スゴ・・・

 このおかげで同じ位置にとどまり掘削が可能になっているのです。

【写真上】歓迎パネル

【写真下】壁に掛けられていた『ちきゅう』の概要図。

●ライザー掘削

 探査船『ちきゅう』の目的は地球の内部を探査すること。なので地球を掘らなくてはなりません。そこで『ちきゅう』は、本来は海洋石油掘削に用いられる「ライザー掘削」という技術を応用しています。「ドリルパイプ」が入った「ライザーパイプ」というパイプを海底におろして、海底下の地層を掘削してゆくわけです。船上に積まれたパイプの山が「ライザーパイプ」で、最大水深2500mまで掘削することが出来ます。

 ライザーパイプが海底に達すると、海底下の地層を掘り進んでゆきます。”ドリルピット”と呼ばれる掘削機が地層を掘り進んでゆくのですが、出来た掘削孔はそのままだと圧力に負けて崩壊してしまいます。崩壊しなくても掘り屑がたまってしまいます。

そこで・・・

 

つ【泥水】

 

 読んで字の通り”でいすい”です。海なので海水と泥を混ぜただけのものではありません。物理的・化学的に調整した、人工の特殊な液体です。目的は掘削孔に出てきた堀り屑を回収(排出)すること。”泥水”は粘土が高くなるように設定されているので、掘り屑をスムーズに回収できるそうです。

 また”泥水”は海水に比べるとその比重が高く、掘削孔内の圧力が高くなり、地層の圧力に拮抗して掘削孔の崩壊を防ぐという利点があります。(海水では深く掘り下げると地質の圧力に負けて掘削孔が崩壊するそうです。)

 この”泥水”は『ちきゅう』と(掘削)孔底の間をライザーパイプなどを経由して循環しています。『ちきゅう』船内にある装置で濾過されて堀り屑などを回収。きれいになった”泥水”を再び孔底に送りこみ、絶えず循環して使用しているそうです。上写真に写っているデリックの後ろにあった小さなビルのような施設が泥水を作ったり濾過したり、また堀り屑を回収する所ということです。

 ちなみに海水を用いる掘削方法は「ライザーレス掘削」といいますが、この方式だと短期間に多数の掘削を行うことが出来る利点があります。『ちきゅう』は「ライザー掘削」と「ライザーレス掘削」の両方を行うことが出来ます。

【写真】デリックの後ろにある小さいビルのような施設に泥水関連装置があります。

●ライザーパイプ

 掘削を始めて海底下の地層を掘り進みます。掘り進んでゆくにつれて圧力は強まります。泥水が入るとはいえ、何が起こるかわかりません。何らかの原因で掘削孔内の圧力が突然上昇し、海底から流体などがライザーパイプを通して『ちきゅう』船上に飛び出るおそれがあります。そうなると甚大な被害を被ります。

そこで・・・

 

つ【噴出防止装置】

 

 ”噴出防止装置”【写真】とは、ライザーパイプの先端すなわち海底下に設置される安全弁のようなもの。装置内には多数の安全弁が装備されており、突発的な圧力上昇を検知すると安全弁を閉じて石油やガスなどの流体の噴出を防止する役目があります。この装置がないと安全に掘削できません。ちなみにサイズは、高さ14.5m・縦幅5.9m・横幅5.2mという巨大なもので、装置だけでも380トンもの重さがあります。(゚Д゚ )オモ・・・

 さて、この噴出防止装置と『ちきゅう』を結ぶのが”ライザーパイプ”です。一般的なパイプは、1本の長さが27m、外径1.2m、重さ約27トンもある巨大なパイプです。(用途によってサイズが違うそうです。) 内部はドリルパイプなどを通すために内径は約50cmあります。そのほかにも噴出防止装置を制御するための導線や油圧管、流体の圧入管を装備しています。ちなみに泥水はパイプ内のドリルパイプの隙間を通るそうです。

 『ちきゅう』は水深約2500mまで掘削できるので、単純に考えても100本は積んでいることになります。100本だと2700トン・・・。他にも予備パイプやドリルパイプ、各種用途別のパイプも積んでいるはずなので、パイプ類だけでもかなりのトン数になります。総トン数約57500トンというのはダテじゃありませんな。

大量に積まれたライザーパイプ。内部にドリルパ

イプを通すために内径は50cmほどあります。

左写真の反対側の部分。凄く太いボルト6本で固

定します。

パイプをつり上げるクレーン。独特の形態をしてい

ます。これが両舷に1基づつ設置されています。

 

観覧車から見たライザーパイプ置き場(?)。こん

なふうに積まれています。

説明パネルから。ライザーパイプのつり上げる時

の写真が展示されていました。

 

●デリック(掘削やぐら)

 

 

 探査船『ちきゅう』の船体中央に位置するのがデリック。デリックとは「掘削やぐら」のことで、先ほどのライザーパイプやドリルパイプなどをつり上げる所です。海面からデリックのてっぺんまで121mもあるめちゃくちゃ高い”やぐら”です。

 あまりにも高いので、船上からは全景を撮影できません。岸壁から見ると、デリックの頂上がほとんど見えません。下船後、大観覧車に乗ってやっと撮影できました。

 デリックの頂上には固定滑車があり、そこから移動滑車がつり下げられています。これが昇降装置。移動滑車には8枚の滑車があるので、ケーブルにかかる加重は1/16となるわけですな。

そんなわけで、昇降装置は約1200トンまでの物をつり下げることができるそうです。

 上写真に写っている黄色い2本の柱がありますが、これは「パイプ・ラッキング・システム」という、ライザーパイプやドリルパイプを運ぶ装置が昇降するための柱。撮影していませんが、「パイプ・ラッキング・システム」本体は3本の腕を持っており、これでパイプをつかみ、掘削孔に下ろすために昇降装置まで運ぶそうです。

●ドリルフロア

 探査での作業場所となるのが「ドリルフロア」です。一般公開では立ち入ることが出来なかったので、遠くからの撮影だけとなっています。

 撮影したのは研究区画にある「コア試料切断場所」。掘削孔から取り出された地層のコア試料を研究室に運び込むために、「ドリルフロア」と同じ高さ(階)にあり、そのため切断場所から艦尾を見渡すことができます。デリックより艦首寄りの区域で、艦尾を見渡すことが出来るのはここだけでしょう。

 さて、切断場所から艦尾方向を見ると、正面にデリックの基部があります。その付近一帯が「ドリルフロア」。各種装置がおかれている場所で、掘削作業でのパイプのつり下げや接続作業、ドリルパイプなどのコントロールなどが行われます。

 切断場所から艦尾に向かってデリックに向かってパイプを運ぶ台車のような装置が置かれていました。これは「パイプトランスファーシステム」。その名の通り、これはドリルパイプを運ぶ装置です。その横にある白い樋のような物が「コアトランスファーベンチ」。海底下の地層から取り出されたコア試料を切断場所まで運ぶ装置です。

 このほかにも各種装置があるのですが、見ることが出来たのはこれら2つだけ。あとは見えませんでした。デジカメの望遠モードで撮影すれば見えたのかもしれませんが、あまりにも混雑していて長居できず、数枚だけ撮影したのが悔やまれます。

ドリルパイプを運ぶ装置。デリックの鉄骨内には

「パイプ・ラッキング・システム」が見えます。

この穴にライザーパイプを通すのでしょうか。この

下には「ムーンプール」があるそうです。

観覧車から見たデリックの足部分。艦尾からパイ

プを持ってきます。艦首にヘリポートがあります。

●研究区画

 海底下の地層から採取されたコア試料は、研究区画前にある「コア試料切断場所」に運ばれて切断されます。ちなみに採取されるコア試料は全長9m。これを1.5mの長さの試料に切断するのです。試料内部に、海底下の圧力のままで閉じこめられているガスなどが存在する可能性もあるため、固定装置、ガス検知器、強制換気装置、洗浄装置などが備え付けられているとのことです。

 切断された試料は室内に運ばれて科学的に調査されます。そのための各種器械類が置かれていました。医療用と同じCTスキャンまであります。これは内部を破壊しないで状態を知るためのもの。ちなみにソフトを交換すれば医療用として使用できるそうです。

 半裁された板状のコアも展示していました。採取され切断されたコアは、さらに研究用と保存用に分けられるとのこと。板状の物はその途中にあるものなのでしょうか。海底よりさらに深い所にある地層を、こうして地上まで回収できるのですから凄いものです。(゚Д゚ )スゴー

 『ちきゅう』には地質の年代測定のために「磁気シールドルーム」も設けられいます。地球の地磁気を遮

断した部屋なのですが、世界で初めて船上に設置されたシールドルームだそうで。撮影しとけばよかった。(´・ω・`)・・・

 研究区画は地上にある研究施設の研究室のようで、船上にあるとは思えません。船上にあって広さに制限があるとはいえ、かなり広い研究室でした。第一に通路が広くて余裕がある。通路にまでいろんな器械なんかが置かれて歩きづらい大学の研究室に比べれば天国ですよ。(^^;)

コア試料切断場所。サンプルが置かれています。

この長さに切断するのでしょう。

CTスキャン。コア内部を調べるのに使用します。

ちなみに医療用と同じだそうで。

微生物研究室。嫌気性細菌をサンプリングするた

めの器具や器械が置かれています。

●船内ウロウロ

 今までに述べてきた場所について書いてゆきます。

 見学者が多いので狭い階段などではやや渋滞気味でしたが、近くにいた乗組員の方にいろいろと質問できました。気になっていたのがオレンジ色の救助艇。上から見ると入換用DLと見えてしまうのは鉄分が多いためでしょう。聞くところでは、長期間漂流しても沈まないために密閉型にしているそうです。一艇あたりの乗員数は忘れました。m(_ _)m

 やがてブリッジに上がりました。ブリッジというよりは工場の管理棟にある制御室のような場所に見えます。前述の通り、『ちきゅう』はスラスターシステムで動いています。そのため”舵”は必要なく操舵輪はありません。操舵輪がないために、よけいに船のブリッジには見えなかったのでしょう。しかし、ちゃんと神棚はありました。ここらへんは日本の船です。

 船員と研究員の居住エリアにある個室も見学しました。マンションの6畳部屋ぐらいの大きさはありました。一人で過ごすなら十分な広さです。一室ごとに便所(洋式)もありました。欧米人の研究者も乗船するため、プライバシーの保護も考慮しないとならないようです。風呂は 共同浴場のようです。ちなみに『ちきゅう』のレクリエーション施設内には茶室があるそうな。日本らしい船ですな。

救助艇。入換用DLに見えたのは@管理人だけで

しょうか?

ブリッジ。船のブリッジというよりは工場の管制室

という感じです。

船内を歩いていたのですが、工場のプラント内を

歩いているように思えました。

●船とは思えない探査船

 『ちきゅう』船内をウロウロしましたが、どこかの工場を見学しているような気分になりました。

航行しておらず、また波もなかったのでそう感じたのでしょう。ほんの少しだけ揺れたときに船だと感じる(思い出す?)ぐらいです。それも注意していないと分からないぐらいです。

 『動く地質研究所』という言葉がぴったりくる探査船でした。

 一般公開があれば是非訪れてくださいませ。(=゚ω゚)ノ旦~

 

【探査船『ちきゅう』レポート 終わり】

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