>>2009.04.02 Update

   

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■潜水艦『あきしお』 (SS579)

 潜水艦『あきしお』(SS579)は、昭和61年(1986年)3月に就役した『ゆうしお』型潜水艦の7番艦。就役後、第一潜水隊群第一潜水隊に実戦配備。平成2年(1990年)に第五潜水隊に所属が変更された。就役以来、第一線で活躍してきたが、平成16年(2004年)3月に退役・除籍となった。

 退役後、『あきしお』は呉基地内に係留されていたが、広島県呉市に建設される海上自衛隊呉史料館で屋外展示されることになった。平成18年(2006年)7月頃より展示に向けた改造作業が開始。作業終了後、同年9月末に海より吊

り上げられ陸送で史料館の展示場所に設置された。史料館は通称「てつのくじら館」として平成19年(2007年)4月5日に開館。退役潜水艦とはいえ、海自潜水艦の内部を見学できる唯一の艦となっている。

 なお10隻建造された『ゆうしお』型潜水艦であるが、練習潜水艦として最後まで現役として活躍していた『ゆきしお』(SS581→TSS3605)は平成20年(2008年)3月をもって退役・除籍。これをもって『ゆ うしお』型潜水艦は全艦が退役している。

●『あきしお』Data

 基準排水量:2250t/水中排水量:3600t

 全長:76.2m/幅:9.9m/深さ:10.2m

 機関:ディーゼル2基 主電動機1基 ディーゼル・エレクトリック 1基1軸/出力:7200ps

 速力:水中20ノット

 兵装:533ミリ魚雷発射管6門

 乗員:75名

 竣工:昭和61年(1986年)3月5日/建造:三菱重工神戸造船所/最終所属:第一潜水隊群第五潜水隊/最終母港:呉

『あきしお』外観

 

 

 陸に上がった潜水艦『あきしお』。普段見ているのは喫水線より上なので、全景を見ると船体が大きいことが分かる。全長は約76m。大都市を走る電車約4両分(1両約20m)より少し短いぐらい。『あきしお』は涙滴型の船型をしている。

▲艦中央部。翼のように見えるのはセイル。上の伸びているのは潜望鏡と

 アンテナ(?)。右に2本固まっているのが潜望鏡。

▲艦中央部右舷。艦首方向から撮影。魚雷発射管の扉が見える。左舷・右

 舷に3基づつ配置されている。

▲艦中央部右舷側を艦尾方向斜めから見る。艦橋の形態は艦首と艦尾で

 違っているのが分かる。

▲魚雷発射管扉。89式魚雷もしくはハープーンを発射出来たとのこと。

 

▲潜水艦の主錨。形から「マッシュルームアンカー」と呼ばれている。

 鎖があるが、展示されている船体には繋がっていない。

▲主錨(マッシュルームアンカー)の収納口。この後ろにはトリムタンクの注

 排水スリットがあるのだが、撮影していない・・・_| ̄|○

▲艦尾。縦横舵とスクリュープロペラ。スクリュープロペラは実物ではなく、当

 然偽物。潜水艦のスクリュープロペラは最高機密。

▲下から見た艦尾。縦横舵が交差している部分から伸びているのは曳航ソ

 ナーの収納口。

▲艦首斜めから艦尾を見る。こんな感じ。

 

▲曳航ソナーの収納口の形態・位置などが良く分かる。

 縦で撮影したので、他と比べると写真サイズが小さくなった。

▲左舷側を斜めから見る。縦横舵とスクリュープロペラ、曳航ソナー収納口の

 位置関係はこんな感じ。

▲海上自衛隊呉史料館前の交差点角から撮影。左の建物が海自呉史料館。

 建物3階から『あきしお』に入る。

『あきしお』艦内

 海自呉史料館は3階建て。1階が「海上自衛隊の歴史」、2階が「掃海艇の活躍」、3階が「潜水艦の活躍」と、各階で展示内容が異なっている。潜水艦関係は3階が展示フロアとなっており、戦後の海上自衛隊発足からの潜水艦の歴史、潜水艦の機能や構造などについての展示がある。潜水艦内の食堂や寝室なども再現されており、また潜望鏡も展示され触れることが出来るようになっている。なお、館内の展示物は撮影可能となっている。(@管理人は撮影していますが、個人的に鑑賞する分には撮影可と判断。サイトでの写真掲載は行いません。)

 『あきしお』には3階から入ることが出来る。建物に隣接して展示されている『あきしお』には通路を渡って入る。船体に穴を開けて通路を設けて おり、『あきしお』右舷側から館内に入ることになっている。この見学通路の設置に伴い、艦内が少し改造されている。 

▲入口からすぐの所にあった士官用便所と士官

 用シャワー。

▲ハッチ。中部昇降用と記されている。この梯子を

  上り下りして艦橋上に出入りしている。

▲館内通路。狭い。左には科員用ベットがある。

 どんつきには通路のハッチがある。

▲士官公室兼士官食堂。机上にあるのは防毒マスクと防火服か。

 本来は壁で仕切られていたと思われる。

▲士官寝室。ここも部屋になっていたと思われるが、見学用通路設置で取り

 払われたようだ。それにしても狭い。

▲艦内唯一の個室となる艦長室。ここも狭い・・・。殺風景な部屋でした。

▲この先が操舵室や発令所となる。ここから先は一切の撮影が禁止。

 公開されているのは士官食堂や士官寝台、艦長室、操舵室、発令所など。階下の機関室や魚雷発射室(?)などは公開されておらず、ガラス張りになった廊下から見るだけとなっている。なお『あきしお』館内は通路や士官食堂室などは撮影可となっているが、操舵室や発令所などは撮影不可となっている。館内には係員(海自OBさん)が常駐しているので、その指示には従ってください。多客時は入場制限や長時間待つことになります。

>>『あきしお』見学 平20年(2008年)4月17日

【終わり】

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