博物館・記念館

 

 

ツーリングや旅行の時に立ち寄った博物館や記念館の中で、

面白そうな所を載せてみました。

 【更新情報】 

 

☆★☆ 訪れた博物館・記念館 ☆★☆

青函トンネル記念館

青葉城資料展示館

東北大学理学部自然史標本館

青函トンネル記念館 (青森県東津軽郡三厩村)

 本州と北海道を結ぶのが青函トンネル。総延長53.85kmの世界最長トンネルである青函トンネルの完成を記念して、1988年(昭63年)に建てられたのがこの青函トンネル記念館です。元々は青函トンネル本州側(龍飛側)の工事基地。

 記念館には青函トンネル建設の歴史や地中から取り出された岩石、使用された工事道具や、トンネルの模型などいろんな資料が揃っていて、建設の様子がよく分かるようになっています。

【左写真】:記念館の全景。周囲の広場には工事に使用された掘削機などが展示されています。

 ここの目玉は、工事に使われたケーブルカーに乗って地下の坑道を探索する坑道ツアー。記念館の横にある

別館のケーブルカー乗り場から地下深くまで下りて、一周約20分ほどの探索コースを歩いて地上に戻ってくるといういうモノ。これはお勧めです。まるで地下要塞に迷い込んだような気になります。訪れたら是非参加して下さい。

 なお、体験坑道ツアーは出発時間が決まっているので、ツーリングのコースに入れる時は予め時間を確認して予定を立てた方が良いでしょう。1日一回だけ竜飛海底駅まで下るツアーもあるようです。

 対岸の北海道福島町にも青函トンネル記念館があります。

(1998年9月/2003年8月訪問)

☆★☆ 体験坑道ツアー参加記 ☆★☆

(1998年9月7日)

 龍飛崎の先端にある異色の国道339号線階段国道の階段(361段)を1往復して満喫した後、つぎの目的地である青函TN記念館に向かいました。

 300円の入館料を支払って中に入ります。『構想から貫通まで42年という時間をかけて完成させた人々の情熱と最高の技術を後世に伝えるメモリアル施設』として開館した青函トンネル記念館だけあって、青函TNの立体模型や使われた掘削機のドリルの実物とか採掘された岩石などが所狭しと展示され、日本の20世紀における一大事業の様子を写真・パネルや映像で実に分かりやすく解説してくれています。

 20分ほど見て回って出ようかと思った時でした。入口横の発券場に『体験坑道ツアー』の案内がありました。ツアー出発時刻まであと15分ほど。これは参加しなくてはと、ツアー参加費760円(98年当時)を支払いました。

 最初は私も含めて僅か4人ほどしか参加者はおらず、これはゆっくりと見学できると思っていたのですが、出発5分ほど前になってバスで到着した農協のお年寄りの団体ツアーが加わり、いきなり総勢30人ほどの大ツアーとなりました。

 ところで記念館にはケーブルカー乗り場など見当たりません。どこから乗り込むかのかと思っていたら、通路に『ケーブルカー乗り場』とかかれた案内がありました。どうやらケーブルカーは別の建物から乗り込むようです。

【右写真】:青函TN記念館駅。明かり取りの窓以外に窓はありません。

 青函TN記念館の隣にある青函トンネル記念館駅というケーブルカーの建物に入ります。内部はよく見るケーブルカーの駅。しかし普通ケーブルカーと言えば、山の麓から山頂に行くモノ。ここのケーブルカーは地表から地下に向かうのです。どこか妙に違和感を感じます。

 満員のケーブルカーに乗り込むと、駅員が入口の分厚い扉を厳重に閉めます。すぐに出発するのかと思いきや、正面の大きな鉄の扉が開くまで約3分ほど待ちます。

【右写真】:青函TN記念館駅の駅標。ちなみにここは日本最短の鉄道だそうです。

 扉が開くとようやくケーブルカーが動き出しました。このケーブルカーは元は青函TN建設時の工事資材搬入用鋼索で、工事資材の他にも工事に携わる人達も地下に運んでいました。TNが完成した後、そのまま旅客用に転用したとか。全長800mほどの日本一短い私鉄だとかで、路線名は『青函トンネル竜飛斜坑線』と言います。

 さてケーブルカーはどんどん地下に下りて行きます。見えるのはコンクリートの壁だけです。壁には要所要所の深度が標されています。『海抜0m』とか『海底』と言ったプレートが

【右写真】:地下の体験坑道駅に到着。

あったように思います。さらに海底を越えて地下に進むと、約9分で海面下140mの体験坑道駅に到着しました。ケーブルカーの線路はまだ下まで続いているようですが、乗客はここで降ろされます。

 駅のホームに下ります。地上は暑かったのに、駅はひんやりとしていて少し肌寒いです。係員の先導で元作業抗を歩き出します。農協の団体さんがどやどやと先を進むので、私は最後尾に付いて歩いて行きます。

【右写真】:ケーブルカーの線路。体験坑道駅手前で別れる側線の線路です。

 ツアーは係員先導で決められた坑道を歩くのですが、途中には工事機械が置かれ工事現場を再現した展示コーナーがいくつかあり、そのコーナー事にテープでの案内が流れるようになっています。

 展示コーナーといえども、実際に作業抗として使用された所です。ほんの一角を利用しているのですが、その構造は複雑で非常に入り組んでいるのでしょう。勝手にコースを離れて迷い込んだら出て来れないかもしれませんね。

【右写真】:坑道内は工事を再現した展示コーナーがあります。写っているのは私の腕です。

 10分ほど進むと広場に出ました。途中に鉄柵があり先には進めません。この先には青函トンネルの竜飛海底駅に通じる坑道があるそうです。青函トンネルで何かがあった場合、海底駅に停車した列車から乗客はここに上がってくるとか。非常時の脱出ルートとなっています。いつしか竜飛海底駅にも寄らねばなりません。

 皆さんはここで記念撮影して行きます。私は人がいなくなるまで待っていました。気が付いたら広場にいるのは私だけで、慌てて皆を追いかけました。

【右写真】津軽海峡海底下140m地点に到着。記念スタンプがありました。

 広場から引き返し、体験坑道駅に戻ります。同じケーブルカーに乗って地上に向かいました。今度は上りということで、少しずつ地上に向かって進んで行くと同時に気温も上がってきたように感じました。

 地上の青函トンネル記念館駅に到着。ケーブルカーから降りたのですが、ケーブルカーの大きな鉄の扉が完全に閉まってようやく出入り口の分厚い鉄の扉が開き、地上に解放されました。

 こうして約45分に及ぶ坑道の体験ツアーは終わったのですが、涼しくて薄暗い地下から地上に戻って来ると、太陽が本当に暖かくありがたいモノだと実感出来ます。工事に携わった人達もそう感じたのでしょうか?

 ☆★☆ 豆知識 ☆★☆ 

 ケーブルカー乗り場だけ別館になっているのには理由があります。完全に密封しないと地上と地下との気圧差ですごい突風が吹いてしまうからだとか。実際に別館には明かりとり用の窓はあっても、風を取り入れるための窓は一つもありません。

 建物への出入口は一カ所だけで、それもめちゃ分厚い頑丈な鉄の扉で出来ています。ケーブルカーのトンネル入口にもさらに大きな頑丈な鉄の扉があります。この扉が開かないと地下に行けないし、閉まらないと外に出れないようになっています。

【左写真】:この扉が閉まるまで外に出られません。

 ◇◆◇ 青函トンネル記念館 ◇◆◇ 

・場所は竜飛崎近く。案内表示があるのですぐに分かります。

・営業時間 9:00〜17:00

・営業期間 4/25〜11/10(この間は無休)

・入館料:300円

・体験坑道ツアー代金:900円(2001年現在)

・詳しいことは三厩町のHPをご覧下さるか、直接記念館まで問い合わせて下さい。(пF0174−38−2301)

青葉城資料展示館 (宮城県仙台市)

 青葉城(仙台城)は仙台市街を見渡すことの出来る青葉山山頂にありました。残念ながら明治初期に取り壊され、現在跡地には護国神社が建ち、周囲一帯は青葉山公園となっています。

 その公園の一角にあるのが青葉城(仙台城)資料館。『青葉城はありませんが、資料展示館にはあるんです』という訳の分からん宣伝文句が気になり訪れました。見た目は単なる土産物屋。入口には『青葉城資料館』と書いてあるので、土産物屋の横の入口から中に入ってみました。入館券売場で入館券を買ってエスカレーターで2階に上がります。資料館は2

階にありす。

 ここには青葉城(仙台城)を築城した伊達政宗公の書状やお抱え刀匠国包の刀や鎧兜や伊達家ゆかりの品々がありました。青葉城(仙台城)は、展示室の真ん中にジオラマで復元されていました。『これが宣伝していた復元した青葉城?』とツッコミを入れたくなりましたが、これはあくまで一展示物。

 実は青葉城(仙台城)はCGで再現されているのです。展示室の横に130名ほどが入場できる専用のミニシアターでしか見ることが出来ないCG映像は、青葉城(仙台城)全景から

始まって、城の各建物や本丸内の大広間の豪華な部屋を詳細にCGで再現しています。この映像は、世界最大のCG学会『SIGGRAPH’93』で最優秀作品賞を受賞しています。(上映時間約10分)

 案内役(ナレーター)は伊達政宗公と片岡小十郎景綱。その声は、伊達政宗公が永井一郎、小十郎が青野武ではありませんか!知る人ぞ知る青二プロを代表する大ベテランのお二人が、息ぴったりに絶妙な間で語ってくれます。ナレーションを聞いていると、『宇○戦艦ヤ○ト』の佐渡酒造先生もしくは徳川彦左衛門真田さんもしくは『う○○○○ら』の錯乱坊と『あ○る』の成原博士の会話を連想させてさせてくれます。

 少し話題が外れましたが、声優ファンならずともこのCGは必見です。今ならもっと細かいところまで詳細に表現出来るのでしょうね。

(2000年9月訪問)

【注意】:資料館では仙台城のことを青葉城と表現していましたので、本文もそれに倣いました。仙台城は青葉山の上にあるので青葉城とも呼ばれていたそうです。

 ☆★☆ 青葉城資料展示館 ☆★☆ 

場 所:仙台市青葉区の仙台城跡。

(仙台市交通局の市内循環観光バス『る〜ぷる仙台』で行くのが便利です。)

営業時間:9〜17時(冬期は〜16時)。年中無休。

入場料:大人700円、中高校生500円、小学生300円

(『る〜ぷる仙台』1日乗車券を提示すると割引あります。)

(2000年9月現在)

東北大学理学部自然史標本館 (宮城県仙台市)

 1995年(平7年)10月に開館した、東北大学理学部キャンパスの一角にある博物館。東北大学開学以来収集された60万点近い標本や化石などの中から、地球生命の進化に関する化石や骨格標本や地球を構成する岩石・鉱物・鉱石、20世紀前半のアジアの地図資料など1000点余りが展示されています。

 入口から入ると、通路にはアンモナイトなどの化石が並べられ 、展示室に入るとステゴザウルスの骨格標本(模型)が出迎えてくれます。

 1階には『地球生命の進化』という化石コーナーと『変動する地球』という鉱物や岩石・鉱石コーナー。2階には『地球生命の進化』の続き(いろいろな哺乳類)と『地表の姿を見る』という外邦図(第二次大戦中に旧陸軍が作成・複製したりした外国・外地の地図)のコーナーが設けられています。また天井からは、1916年(大5年)に宮城県鮎川町で陸揚げされた全長14mの鰯鯨の骨格標本が吊されています。

 保有している標本の一部を展示しているとはいえ、その展示物の量は膨大です。すべてをじっくり見て回るとかなりの時間がかかります。

(2000年9月訪問)

入口前に展示されているステゴザウルの骨格標

本(模型)。でかい。

天井から吊された鰯鯨の骨格標本。鯨って本当

に大きい。ヒレの部分の骨格に注目!

先カンブリア紀の展示コーナーにあったアノマロカリ

の模型。これは欲しい!

 ☆★☆ 豆知識 ☆★☆ 

アノマロカリス(Anomalocaris canadensis)

 写真No3に写っている模型の名前です。エビによく似た得体の知れない動物で、名前の意味は『奇妙なエビ』だそうです。

 カンブリア紀中期に繁栄した、全長60cmに達する大きな肉食性の動物で、当時食物連鎖の頂点に立つ生き物でした。口先にある腕の様なモノで餌となる三葉虫を捕らえてバリバリ食べていたようです。頭の下(顎にあたる付近)には口があります。現在知られているどのグループにも属さない所属不明の動物だそうです。

 まるごと一体が化石となって発見されておらず、部分部分の化石として発掘されました。そのため当初は一つの動物とは考えられずに、腕のような部分、胴体や尾の部分が別々の動物と考えられていたとか。1998年頃に、カナダの研究者が一つの動物と考えて『アノマロカリス』を復元したという内容の番組をNHKで放送していました。標本館には腕の部分(節食用の器官)の化石が展示されています。

 このユニークな外見からファンが多いようです。かくいう私もその1人。『アノマロカリス』のサイトまでありました。

 ◇◆◇ 東北大学理学部自然史標本館 ◇◆◇ 

場 所:仙台市青葉区。東北大学理学部キャンパス内。

(仙台市交通局の市内循環観光バス『る〜ぷる仙台』で行くのが便利です。)

開館時間:10〜16時(土・日・祝日も開館)

休館日:月曜日、年末・年始(12/28〜1/4)

入場料:大人100円(小中学生50円)

(2000年9月現在)

道端風景