◇第1回ツーリングオフ会 2000年(平12年)11月23日(木)開催

○第1回目から・・・

 2000年(平12年)11月23日(木)は、『彷徨猫旅記録』の記念すべき第1回目のツーリングオフ会開催の日となった。紀伊半島の山中にある和歌山県本宮町の川湯温泉を目的地とする紀伊半島周遊ツーリングである。

 当日は朝から快晴。第1回ツーリングオフ会にふさわしい絶好のツーリング日和となった。集合場所は大阪府河内長野市にあるドライブイン8000番。R371沿いにあるドライブインに午前8時半に集合となっていた。自宅から20分もあれば到着できるだろうと考えて8時過ぎに自宅を出発するが、予想以上に時間がかかってしまった。集合場所に到着したのは午前8時40分。実に10分の遅刻だ。第1回目から大失態をしでかしてしまった。<(_ _)>

 集合場所にはすでに3人の方々が到着されていた。『バイクTekuTeku紀行』の管理人たぬたぬさんと相方のセイウチさん。『かざねかたな旅の書』の管理人かざねかたなさんである。たぬたぬさんとセイウチさんとは、これより前に開催された某サイト管理人主催の”お食事オフ会”でお会いしていたが、かざねさんとはこの時が初対面であった。たまたま掲示板を見て参加されたという方はおられず、この3人と私を加えた合計4人によるツーリングとなった。

 そもそも私自身はソロツーリングを好み、多人数でのいわゆる『マスツーリング』というモノは年に1・2回しか参加しない。それも高校時代からの連れとその知り合い、もしくは1997年北海道ツーリングで知り合った人達で作ったグループとのツーリングだ。つまりは”気心知れた連中”と行くことが多いのだ。そうなると相手の癖や(バイク運転の)力量などが分かっているので、ある程度は無茶な運転が出来る。

 ところが今回は全くの初対面者とのツーリングで、しかも私が先導することになるので、運転をどの程度抑えていいか分からない。生まれも育ちも大阪南部の私。だんじり囃子を聞いて育った短気な人間なので、うまく抑えて先導できるかという不安を抱えての出発となった。

○不安的中・・・<(_ _)>

 挨拶もそこそこに午前9時に出発。混雑するであろう高野山をパスしてR168で南に向かうことにする。R371を南下。紀見TNを越えて和歌山県に入り給油。このまま橋本市街に出ると渋滞に巻き込まれるので、御幸辻でr731(県道二見御幸辻停車場線)に入ってR24の北側を迂回する。車は少なく田畑の広がる郊外の農村地帯を快走する。知られているルートかと思ったが、地元者以外にはあまり知られていないようだった。

 奈良県に入る。R310に入り五條市街へ北からアプローチ。本陣交差点ではいつもの渋滞に巻き込まれる。R168に入るが、南に向かう行楽客の車が多く渋滞気味。走行ペースが落ちてしまう。1人であればスキを見て抜いていったりするのだが、そういうことは出来ないのでぐっとこらえて車列の中を走る。良く晴れた土日、五條市郊外のR168では速度違反取り締まりが行われている。案の定、この日も取り締まりを実施していたが、先導者ということで大人しく走っていたため捕まらずに無事通過した。

 天辻TNを出た所にある道の駅『吉野路大塔』で一度目の休憩。天気の良い祝日と言うこともあって、たくさんのライダーが訪れていた。道の駅はバイクの見本市会場と化しており、行楽客の車とで大混雑していた。停まっていた観光バスが出発しかけたのを見て皆慌てて出発する。この先は狭路が続くのでバスに前を走られると時間がかかってしまうのだ。

 行楽客の車の中には山道の運転の仕方を知らないドライバーがたまにいる。そんな車に前を走られると、逆にこちらが追突したりして危なくなる。道の駅を出てからそんな車が前を走っていたのだが、後の人達の力量が分からないので大人しく走っていた。しかしあまりにも遅かった。頭の回路が飛んで一気に加速。R168宇井BPで抜き去る。

 抜いて『今日は1人ではない』ことに気が付く。ミラーを見るとGSX1300のハヤブサに乗るかざねさんは付いて来ているのだが、オフ車に乗るたぬさんとセイウチさんは抜くのに手間取っておられた様子・・・やってしまった。『爆走』という悪い癖が出てしまった。私は一度頭に血が上ると後先考えずに行動することがあるのだ。

 『今日はマスツーリング。先導しているのだぞ』と言い聞かせて、以後はミラーで後続車を確認しながら大人しく走ることに徹した。

○笹の滝

 本宮まで下る途中で寄り道して”笹の滝”へ向かう。風屋ダム近くでR168から村道に入り滝川に沿って山奥へと進んで行く。道は舗装されてはいるが所々剥がれて荒れている。集落を過ぎると完全1車線幅で路面に苔が生えているという状態になる。いわゆる『悪路』という道になるのだ。

 私もかざねさんもこういう道を好んで走る。私を先頭に狭路を進んで行くのだが、思った以上に時間がかかる。と言うのも、オフ会開催3ヶ月ほど前の2000年8月、このような道をKSRUで走行中にカーブで車と衝突してしまったのだ。

幸い両者ともスピードを出していなかったのと、とっさの機転で車の側面にぶつかるようにしたので大事には至らなかった。KSRUも廃車にはならず修理で済んだ。その時の後遺症か。こういう道を走るときは異常に慎重になってしまったのだ。すぐ後ろにかざねさんのハヤブサが見える。なにか私がブロックしているように見えてしまう。R168で爆走していた同一人物とは思えない。

 10kmほど走って笹の滝入口に到着。入口から少し歩くと笹の滝に到着。『日本の滝100選』に選ばれた名瀑だ。ここへは1998年(平10年)5月に一度来ている。そのときは新緑の中の滝でそれはそれで美しいのだが、是非一度紅葉の時期に来てみようと思っていた滝だったのだ。

 今年の紅葉は結構綺麗で、清流や滝の周囲には思い思いの色をした木が立っている。清流や

滝の音を聞いて眺める紅葉もまたいい味を出している。人も少なくゆっくりと鑑賞できる。清流の水はかなり冷たく、もう冬が近くまで来ていることを感じ取る。近年、季節の節目を感じることが少なくなってきたが、こういう所ではまだ感じることが出来るようだ。

 しばらく滝の周囲で思い思いの場所で撮影したりして時間を潰す。贅沢な”秋の風物詩”を十二分に堪能。滝の前に4人集まって記念撮影した後、来た道を引き返しR168へ戻った。

←今回の参加者全員で記念撮影。手前右の迷彩帽子をかぶっているのがあめふらし。

○渡瀬温泉

 R168へ戻り南へ向かう。道の駅『十津川郷』に寄って、ここの名物である蕎麦(そば)を食べる。ここは全て手打ち蕎麦。作った直後の蕎麦は大変おいしい。蕎麦つゆまで飲み干してしまった。

 ここで目的地を川湯温泉(千人風呂)から渡瀬温泉に変更する。道の駅を出てR168を南へ。十津川村平谷地区を抜けて十津川に沿ってひたすら南に向かって進む。奈良県内は路面状態はあまり良くなく少し走りづらいが、和歌山県に入った途端に路面状態は良くなり走りやすくなった。

 熊野本宮大社前を通り過ぎ、本宮町の町を通り過ぎて2kmほど進んだ付近でR311に入る。大日山TNを抜けるとすぐに渡瀬温泉が見えてきた。温泉に向かう道に入り14時半頃に渡瀬温泉に到着した。

 有名な渡瀬温泉なので、この日は来訪客で混雑していた。観光バスが数台出入りし駐車場はほぼ満杯。駐車場の片隅にバイクを停める。混雑しているかと思ったが、さすがは『西日本一の広さ』を誇る温泉。大露天風呂でも他人を気にせずに入浴することが出来た。広い露天岩風呂に入ってあれこれ話す。

 かざねさんとは『悪路好き』ということで、あちこちの悪路について話が弾む。たぬたぬさんらとはムヒョヒョな話で盛り上がり、逆上せるまで露天風呂に入っていた。いつもは1人で温泉に入浴するのだが、複数人数で入るのもまたおもしろい。

○またもや・・・m(_ _)m

 渡瀬温泉を出て帰路に就くことにする。渡瀬温泉からR311を西へ向かう。このR311、1998年(平10年)4〜9月に開催された『南紀熊野博』に間に合うように急ピッチでバイパス工事が行われたので、ほとんどが2車線幅の快走路となっている。

 ところが道は、今から帰る人達の車で渋滞気味。景色を見ながらゆっくると走る車が先頭のようだ。後のことを考えて走ってくれ。ペースが上がらないことに再びイライラし始める。小広峠を越えるBPの小広TN手前でまたキレた・・・車3台を一気に抜き、うっぷんを晴らすがごとく小広TNを猛スピードで突き進む。1100ccのZRXの加速に付いてこれたのは、かざねさんのハヤブサだけ。TNを出て中辺路町に入ったところで我に返り走行ペースを落とす。

 必死になってたぬたぬさんが追いついてきた。セイウチさんが付いて来れなくなってしまったそうだ。あぁ。またやってしまった・・・先導者失格である。みなさま、ごめんなさい。m(_ _)m 

○アクシデント

 そんなことがあったので、かざねさんが最後尾に回ってくれた。r198を走り龍神村へ入る。R425との交差点で停まると、たぬたぬさんのバイクのテールランプが切れてしまったという。これから夜間走行に入るので、それは危険だということになり、この先バイク屋があれば停まることをして出発する。

 紀伊半島横断酷道として名高いR425も、龍神村内のR371合流地点〜R424合流地点の間は整備・改良された2車線快走国道となっている。日も暮れて辺りは薄暗くなった。そんな中を4台のバイクは淡々と快走路を進んで行く。

 R424との合流交差点角に『SUZUKI』の看板を発見。小さなバイク屋さんだ。店の主人は人の良さそうな方。事情を説明すると、店の中をあちこち調べて同じ型のテールランプを探し出して頂き、テールランプを交換。問題は無事に解決したのだった。

○夜のR424

 龍神村からはR424で吉備町を目指す。かつては酷道だったR424も今では整備・改良が進み快適な2車線快走国道に生まれ変わってしまった。紀伊半島の3ケタ国道の中では、一番整備が進んでいる国道の一つだろう。個人的にも海南側から紀伊半島の山中へ向かう道として重宝している国道だ。

 この日は休みの日ということもあり、この時間帯(18時台頃)としては交通量は多い。夜間ということもあり、大人しく車列に入って進んで行く。ペースは遅いが流れているのであまり気にはならない。ところが、中には強引な抜き方をして先を急ぐ車の姿があった。対向車が近づくまで100k/hぐらいの速度で抜ける車まで抜いて強引に割り込み。見通しの良いカーブでは、レース気取りでinをついて抜き去る車。遅い先行車をパッシングして抜き去る車などなど・・・ 私らのグループを強引に抜こうとした車もいたが、もちろんそんな車を前に入れさせる訳にはいかない。とことんブロックして前に行かさないようにして進んだ。

 人のことを強くどうこうと言える立場ではないが、見ていると無謀な運転をするドライバーの多いこと多いこと。山道の運転を知らないドライバーが多すぎる。せっかくの楽しかった休日を事故で台無しにしても良いのだろうか?中には地元住民の車も走っているのだ。地元の方が便利になるように整備したのに、余所から来た者が無茶な運転をするための道になってしまいがちなのは残念なことだ。特にR424はその傾向が強い。

 無茶な運転をしたければレース場でどうぞ。・・・と、自分のことは棚に上げる作り人でした。(^^;) あんまり説得力ないですね。

○無事終了

 R424で金屋町に出た所で給油。ここから吉備に出て海南湯浅道路かR42に入ろうかと思ったが、両方とも大渋滞しているのは間違いない。そこで裏道で海南へ出ることにする。金屋町〜海南市間のR424は、夜に走るには危険な悪路なのでr18で海南市へ抜ける。金屋町〜海南市間は国道よりも県道の方が整備されており走りやすいのだ。

 金屋町を出る頃は完全に夜となっていた。空には雲一つなく秋の星々が輝いて見える。山々が海南市や和歌山市市街の光を遮ってくれるので、峠近くの山中からは天の川も少し見えた。大変綺麗な星空を見て大満足。海南市市街へ下って行く。

 海南南ICからは阪和道に入り一気に北上。紀ノ川SAは改修工事がほぼ終了。以前の古い建物ではなく、近代的な明るく広い建物に生まれ変わっていた。この先で集まって挨拶する所はないので紀ノ川SAで解散となる。関空道分岐まで皆で走る。ここでたぬたぬさんとセイウチさんは関空道へ。クラクションを鳴らして挨拶。岸和田和泉ICではかざねさんとも別れる。ここでもクラクションで挨拶する。

 このクラクションは別れの挨拶ではなく、『またどこかで会いましょう。それまで安全運転で』という再会を願う挨拶。挨拶を交わすときは、いつも少し寂しい気分になる。しかい同時に『今度はいつどこで会えるか』という楽しみも湧き、次のバイクツーリングへの活動力の源にもなるのだ。

 自宅に到着したのは20時過ぎ。疲れから熟睡してしまい、掲示板を確認したのは夜中。無事に帰宅したとの書き込みがあり一安心。なにはともあれ、第1回ツーリングオフ会は無事に終了したのでした。

 

 今回は『爆走』という悪い癖が出てしまい、参加者の方々にはご迷惑をおかけいたしました。<(_ _)>

【第1回ツーリングオフ会レポート終わり】

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