◇第3回ツーリングオフ会 2001年(平成13年)11月23日(金)

第3回ツーリングオフ会

 もともとオフ会は11月3日(土)に開催予定であったが、東北ツーリングから帰ってすぐの頃だったので疲れているだろうと思い11月18日(日)に延期。しかし私個人の急用により11月23日(金)に延期となった。23日は勤労感謝の日。日本全国が休日の一日である。なんと第1回ツーリングオフ会開催からちょうど1年目の日でもあったのだ。

 今回の行き先は紀伊半島。今年最後のチャンスであろうということで、高野龍神スカイラインを南下して白浜まで向かうという、紀伊半島縦断コースを走ることにしたのだ。

高野山へ

 集合場所は第1回目と同じくR371沿いにある『レストラン8000番』。第1回目の時は見事に遅刻したので、今回は遅刻してはいけないと思い、朝早く起きて8時過ぎに家を出発する。その甲斐あって、『ラストラン8000番』に到着したのは、集合時間の8時30分。バイクの姿はなく、まだ誰も到着していないようだった。5分ほど待つと、アルテイシアに乗ったセイウチさんが到着した。

 今回の事前参加申し込みはセイウチさんだけだった。当日参加者もいるかと思っていたがそういうこともなく、30分待っても誰も現れない。今回の参加はセイウチさんだけということで、私と2人だけのツーリングとなった。(^^;)

 9時に出発。紀見TNを越えて橋本市街へ向かう。R371は行楽客の車が多く混雑している。

高野山に向かうメイン道路のR370は渋滞していると思い、裏道的存在のR371で高野山へ向かうことにした。

 1車線幅の狭路のR371に入り一路高野山へ向かう。紀ノ川を渡ってから3kmほどで橋本市内とは思えないほど山深い所を入っていた。国道とは思えない狭く急カーブが連続する道路だ。急なヘアピンカーブを過ぎると急勾配の狭路坂道を登って山深い断崖上を通る。鬱蒼とした森の中を、見通しの悪い小さなカーブをいくつも越えて進んで行く。

 道が2車線道となった橋本市彦谷地区の渓流沿いで休憩。紅葉のピークは終わっていたが、まだ紅葉は楽しめる。ここで撮影していると、セイウチさんが対岸の絶壁にスズメバチの大きな巣を発見。この付近は自然が豊かなのだろう。

 この付近は大阪府が計画していた丹生川ダム建設予定地だ。幸いなことにダムは建設計画が撤回され、この付近の素晴らしい渓谷美が水の底に沈むことはなくなった。スズメバチの巣も水没することなく蜜を貯めることが出来る。ひとまずは一安心だが、またいつ計画が復活するか分からない。

 大阪市内から早朝に出発して来たという3台組のツーリンググループと出会って挨拶した後出発。再び狭路のR371を淡々と進んで行く。道は平坦な道だが、川側はガードレールがなく注意して走らなくてはならない。

 玉川温泉を過ぎて高野町筒香に向ける道との分岐点を過ぎると、徐々に標高を上げながら進んで行く。谷底なので気温が低いためか霧が発生していたようで、ミラーはもちろんのことヘルメットのシールド、眼鏡までにも水滴が付いたり曇ってしまって前が見えなくなってしまった。少し寒く、高野山の北東斜面は一足早く冬に入ったようだ。

 前が見えづらいのでゆっくりと走っていると、さきほどの3台組に抜かれてしまった。やがて日当たりの良い所に出る。ポカポカとして暖かい。高野山は秋と冬が同居している状態なのだ。休憩した付近は高野山中腹辺りにある山間の小さな集落。山をバックに木々に囲まれた民家が建っている。のんびりした静かな集落である。大阪などの大都市とは全く違った時の流れがあるように思えた。

 R371を淡々と走る。10時半頃に高野山の奥の院駐車場に到着する。駐車場は高野山は紅葉を見に来た人達などの車で混雑していた。観光バスも多く、R370経由だと到着は少し遅れたかも知れない。R

371経由は正しい選択であった。

紀伊半島はもう冬?

 10分ほど休憩した後に出発。r53経由で野迫川村に向かう。天狗木峠から奈良県野迫川村に入ると道は2車線道となる。急勾配で急カーブが連続するワインディングロードが続く。日陰に入った部分の路面はまだ濡れていてなにやら白い氷のようなモノが広がっていた。霜が降りて凍結したのがまだ残っているのだろうか?

 r733に入り野迫川村の中心地へ。そこから高野龍神スカイラインへの連絡道に入る。町中を抜けると道は山陰に入っていた。少し先に進むと道路一面が濡れたように見える所に差しかかった。路肩にバイクが2台停まっておりライダーが私らに向かって何やら合図をしている。『何かあったのか?』と思って減速して進み、ライダーの近くまで来た時だった。いきなり後輪が滑った。良く見ると路面が凍結していた。(*o*;) 濡れていると思っていた路面は、実は全面凍結していたのだ。付近は山の陰に入った日陰部分。10時台というのに溶けていないということは、朝方はかなり冷え込んだと見える。紀伊半島はすでに冬になっているのだ。

 何も知らずに突っ込んでいたら間違いなく転倒していた。凍結区間を通り抜けるのに精一杯で、知らせてくれたライダーには礼を言う暇がなかった。知らせてくれたライダーさん、ありがとう。

 この後、高野龍神スカイラインに入るが、日陰に入った路面は濡れており路肩には雪が残っていた。平野部では小春日和でも標高900mを越える紀伊半島の山中では初冬なのだ。

 当初の予定では、高野山からはR371中南経由で箕峠に抜けるつもりでいた。そのルートはR480分岐点から先は、半分以上が山陰を進む区間となる。今日のような日に向かっていたら、間違いなく路面凍結か積雪に出くわして立ち往生していたことだろう。コースを変更して正解だった。

白浜へ

 笹ノ茶屋峠北側の舗装林道分岐点にある『山の上しみず』という小さなドライブインで休憩。この付近で高野龍神スカイラインの料金区間が別れる。ここより北側(高野山側)が830円、南側(龍神側)が630円となる。(共に126cc以上のバイクの値段) 全区間を走ると1460円と少し割高な金額となるが、走って損はない快適な道なので紀伊半島ツーリングでは是非走られることをお勧めする。さすがに晩秋になると護摩壇山で路面凍結が起こり、12月〜翌年3月末ぐらいまでの冬期は路面凍結・積雪のためにバイクは全面通行止め、車は夜間(17〜翌7時)通行止めとなるのでご注意を。

 スカイラインの一大観光ポイントが護摩壇山。ここには護摩壇山タワーという展望台があるが、この日はバイク・車・観光バスで大混雑。人で溢れかえっていたので休憩する気はなくなり、立ち寄ることなく龍神村を目指す。

 R371が合流する箕峠より高野山側の区間は別ルートで建設された区間なのに対して、箕峠より龍神村側の区間は元々あったR371(の前身となる道)を拡張・整備した区間。その時の名残なのか、北側に比べると急カーブと急勾配の坂道が続く。

 12時頃に高野龍神スカイライン龍神村側料金所に到着。すぐ左側には日高川の清流が流

れていた。ここからは一般国道のR371に入る。龍神村内は整備された2車線道。シーズンオフ直前の晴れた休日だけあって車の通行量が多い。

 R371沿道にある道の駅『龍神』で食事休憩。オフシーズンの平日の昼間ならば閑古鳥が鳴いているここも、今日のこの時間帯は大混雑していた。テラスのテーブルで相席となって、名物の『あまご入りにゅう麺』とおにぎりを食べる。

 この先にあるR425分岐点で建設中だった小又川TNが完成・供用開始していたので、セイウチさんには申し訳ないが、道ネタサイトのネタ集めのために少しだけ寄り道させて頂いた。当サイトのツーリングオフ会は、管理人@あめふらしのネタ集めも兼ねているので、このように寄り道したりすることが頻繁にあったりするのです。m(_ _)m

紀伊半島はもう春??

 龍神村からR371分断区間(林道にて連絡)で中辺路町に抜けようかと思ったが、先ほどの路面凍結のことを考えてr198経由で中辺路町に向かう。約3kmはあるであろう水上栃谷TNはアップダウンのある高速道路並みのトンネル。以前、KSRUでの自己最高速度をマークしたのはこのトンネルであった。

 R311に入り富田川に沿って淡々と2車線道を進んで行く。和歌山県上富田町に入ると平野部に出る。するとスカイラインでの寒さはどこへやら、ポカポカ陽気の小春日和の秋の休日であった。スカイラインでの格好そのままだったので暑くてたまらない。

 R42に入り一旦新宮方面へ。さらにr31〜r214でJR白浜駅近くを通りr34へ。休日は串本方面から左回りで進む方がスムーズに走ることが出来るのだ。左側には太平洋が広がり、海面に太陽の光が反射してまぶしい。

 やがて三段壁の入口へ到着。焼きイカの匂いに誘われてバイクを駐車場に停める。防寒のためにはいていたレインウェアのアンダーズボンを脱ぎ、ネックウォーマーを取り外す。この陽気で防寒具を付けたまま歩くと汗だくになってしまう。少し身軽な格好になって三段壁へと歩いて向かう。沿道にある土産物屋の軒先にはおいしそうな焼きサザエが。その匂いの誘惑を払いのけて展望台まで歩いた。

 三段壁は長年の海による浸食の結果削られた岩壁がそそり立つ一大景勝地。素晴らしい光景が広がり、自然によって作られた芸術品を見ることが出来る。断崖の遙か下には波が「ざっぱぁ〜ん」と岩にぶつかっている。北陸福井県にある東尋坊とついつい比較してしまう。東尋坊は日本海に面しているのでどうしても『寒』というイメージがつきまとうのに対し、白浜の三段壁は太平洋に面し『暖』というイメージがある。どちらも海に面した断崖上の景勝地なのだが大きく違って見えるのだ。

 三段壁は観光客が多い。あちこちに思い思いに写真を撮ったり断崖上に座って景色を眺めている人達がいる。三段壁ではエレベータに乗って断崖下まで下りて波しぶきを受けることが出来るのだが、料金が高いので断崖上が見下ろすだけにとどめた。

 駐車場に戻る途中で、店先で焼かれているイカの匂いの誘惑に負けて焼きゲソを買ってしまう。近くの自販機でお茶も買って食べる。実においしいゲソ焼きだった。そういえば今年の4月に行った天橋立でも匂いに負けて焼きイカを買っている。日本人にとって、焼きイカの匂いは食欲をそそるものなのだろうか?

崎の湯

 三段壁の駐車場から5分ほどで白浜温泉『崎の湯』に到着する。近畿地方の温泉では大変珍しい無料温泉だ。しかも太平洋を眺めながら入ることの出来る海岸にある露天風呂なのだ。4年ぶりに訪れた『崎の湯』は少し変わっていた。門の中にあった汲み取り便所は撤去され、駐車場に水洗の公衆便所が新設されていた。以前は門の中にあった管理人事務所は門の横に移動していた。

 『崎の湯』は男女別の露天風呂。女性風呂の周囲には高い壁が設置されているので、女性でも安心して入ることが出来る。男湯に入って行く。脱衣所はなく簡単な棚しかない。休日なので入浴客が多くて小さな棚は衣服や荷物で満杯。皆、すぐ隣の岩の上に衣服と荷物を置いている。それにならって風で飛ばされないように工夫して衣服と荷物を置く。

 海岸にある岩に出来た窪みが浴槽で、ここに硫黄泉のお湯が淡々と注がれている。湯はかなり熱めなので、かき混ぜて冷まさなければならない。少し入ると逆上せ、外に出て潮風に当たって体を冷やす。そしてまた入浴すると逆上せてくる。その繰り返して30分ほど温泉を楽しむ。

 『崎の湯』の良い所は、なんと言っても太平洋を眺めながら温泉に入ることが出来ること。こんなに眺めの良い温泉が無料というのは大変うれしい。紀伊半島ツーリングでは是非とも寄って頂きたい温泉の1つだ。

 昔はもう少し海側に浴槽があったそうなのだが、海に近くて危険だと言うことで今の位置に移動したそうなのだ。江戸時代は徳川吉宗も立ち寄ったことのある由緒ある温泉で、立派な建物もあったとか。しかしその建物は台風で門だけ残して倒壊したという話を以前聞いたことがある。そういうこともあってか、『崎の湯』は海が大荒れの時や台風の時は閉鎖され、入浴することは出来ない。入浴時間も18時(夏期は18時半)までとなっている。

嗚呼、大渋滞・・・

 駐車場に戻るとCRMに乗ったおっちゃんと出会った。大阪市平野区からひたすら地道を走って来たという。KSRUと同じく80ccの原付二種なのだが、KSRと比べるとタイヤの幅が狭いためにダートも平気に走ることが出来る。『CRMで走るのが面白くてたまらない』とおっちゃんは話していた。ただ燃費が悪いのだけが欠点だそうだ。

 白浜を後にしたのは16時半頃。南紀地方から大阪に帰る観光客の車で渋滞が始まる時間帯だ。案の定、r33からR42に入る付近と田辺市のR42BP下り口〜田辺市芳養地区までは大渋滞が発生していた。トロトロ走る車の列に入って進むが、温泉に入ったためか眠たくなってしまった。

 渋滞の列に入って進むのが嫌になり、印南町からR42から離れて御坊まで裏道を走る。すっかり真っ暗となった山中を走る道なので、緊張して目が覚めた。さらに広川まで裏道を走ろうと考えたが、御坊ICから御坊湯浅道路に入り北に向かう。先にある湯浅御坊道路も含めて阪和道海南ICまでは片側1車線の対向2車線道路の高速道路が続くが、湯浅御坊道路までは順調に走ることが出来る。ところが休日の湯浅御坊道路(特に夕方以降の北行き車線)は、吉備IC〜海南ICで大渋滞が発生する。原因は道路の許容量以上の車が集中することに他ならない。早く4車線にして欲しいものだ。

 湯浅御坊道路の途中は長いTNが連続する。当然のことながらTN内ではバイクのすり抜けは不可能。また対向道路なので追い抜くことも不可能なのだ。車の排気ガスが充満する長大TN内にバイクで入り、渋滞の列に巻き込まれるのは嫌なので吉備南ICで下りる。山を越えるr18で海南に抜け、海南東ICから阪和道に入った。このコースだと時間はかかるが、TN内で排気ガスを吸って気分が悪くなったり健康を害することはない。920円支払って排気ガスを吸いたいとは思わない。

紀ノ川SA

 阪和道に入る。片側2車線の高速道路なので渋滞もなく快適に走ることが出来た。紀ノ川SAに到着。駐車場は満杯となっているが、バイクは専用駐車場があるのでそちらに向かう。ところがバイク専用の駐車スペースに堂々とワゴン車が停まっていた。一時停車なのだろうか、車内には運転手の父親がいた。バイクが来ても立ち去る気配を見せない。5台ほどいれば取り囲むようにバイクを停めることも出来たのだが2台ではどうしようも出来ない。そのまま去るまで待つのも嫌だったので、わずかな隙間にバイクを入れて停める。

 やがて便所から子供を連れた母親が帰って来た。母親は子供を車に入れると、入れ替わりにゴミ袋を取り出してSAのゴミ箱に捨てていた。自分らで作ったゴミぐらい家に持ち帰って捨てろ! バイク駐車スペースに車を停めるわ、ゴミを捨てて行くわ・・・常識のないアホ夫婦だ。母親が乗るとワゴン車は去って行ったが、ツーリングの最後に嫌なモノを見せられてしまった。

 小休憩の後出発。岸和田和泉ICで下りた所で、セイウチさんと別れる。自宅に到着したのは20時半頃。あとで掲示板でセイウチさんが無事に帰宅されたことを確認。2人だけのツーリングオフ会だったが、2人だけだった分、行動しやすく楽しめたツーリングであった。

【第3回ツーリングオフ会レポート終わり】

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