>>その1

●大阪港渡船巡り その2

◆安治川隧道

  後半戦開始。残るは安治川隧道と天保山渡船だけなのですが、両方とも離れているので移動距離が長くなります。当然の事ながら、その分だけ自転車に乗る時間が長くなります。各自、いろいろと補給したところなので元気になり後半戦に突入しま す。

 さて、うどん屋を後にして磯路中央公園脇を通って弁天埠頭へ向かいます。弁天埠頭は昔のフェリーターミナルです。関西汽船の本社が残っていました。そのまま道なりに東に向かいます。R43とJR大阪環状線を越えると西区に入ります。4車線道路を淡々と走り、源兵衛渡交差点を左折すると安治川隧道南口(西区側)に到着しました。

 安治川隧道は都市部でも珍しい川底を通るトンネルです。全長約81m(隧道部)の安治川川底を通る隧道(トンネル)で、安治川を渡る交通量の激増に対処するために、1935年(昭10年)に工事着工。戦争中の1944年(昭19年)9月15日に完成しました。トンネルの開通により、安治川にあった4つの渡船が廃止されています。現在のトンネルの位置には源兵衛渡船という渡し船があったそうで、今では交差点名として残っています。

 この安治川隧道は、隧道すなわち「トンネル」なのですが、よく見るトンネル入口(抗口)は見あたりません。4車線道のどん突きに4階建てのビルが建っているだけです。「どこにトンネルがあるねん」と思うかも知れませんが、このビルが安治川隧道入口。1階にあるエレベータと階段入口が目印です。このビルにあるエレベータもしくは階段で川底を通る隧道部分に下りて対岸(此花区西九条)に渡るようになっています。

 エレベータは係員が操作しており、頻繁に地上と地下を往復しています。近くの九条商店街からの帰りでしょうか、買い物袋をぶら下げたチャリに乗った人達がやって来ます。結構頻繁にエレ

ベータは動いているので、混雑することはあまりないようです。

 何回か乗り過ごした後、MTBごとエレベータに乗り込みます。扉は2つあり、地下に付くと地上とは反対側の扉が開くようになっています。地下は幅約1.5mほどの通路となっています。地下鉄の連絡通路のようです。

 安治川隧道周辺には、西にR43安治川大橋、東に端建蔵橋・船津橋(安治川と土佐堀川、堂島川、木津川が交差する付近にある)にしか橋はないので、ここがないと大きく迂回しなければなりません。地元の方達にはなくてはならない隧道なのです。

通路は完全に地元の方達の生活道路となっており、子供達がはしゃいで走っていたりします。生活感あふれるトンネルです。ヽ(゚∀゚)ノ

 MTBを押して歩くと、ほどなくして反対側(此花区側)のエレベータに到着。地上に出るとそこは此花区西九条。此花区側も同じ作りのビルが建っていました。写真を見て目立つのが大きな2枚の扉。実はこれは自動車用エレベータ入口です。現在は使用されていませんが、1977年(昭52年)まで使用されていました。その頃までは自動車での通り抜けが可能だったのです。大阪には意外な施設があるものだと感心しました。 

【写真上】:この建物が安治川隧道入口(西区側)。1階にあるエレベータもしくは階段で地下に下ります。

【写真中】:川底を通るトンネル部分。地下鉄の連絡通路みたいです。

【写真下】:地上と地下はこのエレベータで移動します。横に階段入口があります。

◆桜島へ

  安治川に沿って西に向かいます。周辺は倉庫や工場が多いのですが、日曜日なのでほとんどがお休み。おかげでトラックなどの姿はほとんど無く快適に走ることが出来ます。春日出橋を渡り住友化学の工場南側を走りますが、更地が目立ちます。日本の高度成長を支えてきた工場地帯ですが、どうやらその役目を終えてしまったようです。

 JR桜島線を渡り、JRの北側を通る道を西へ西へと向かいます。安治川隧道から15分ほど進むとUSJ(ユニバーサルスタジオ・ジャパン)前に到着。園内からは各アトラクションのBGMや観客の歓声などが聞こえてきます。楽しそうでつね。

 実はオープンしてから3年ほど経ちますが、一度も訪れたことがなかったりする・・・(;´∀`) USJ周囲を取り囲むように作られた道から眺め、壁越しに見える施設をバックに記念撮影して良しとしましょう。┐(´ー`)┌

 USJ南側にある4車線道を走ります。日曜日ということでしょうか交通量はありません。いきなり下町の中に入り、最後は月星化成の倉庫横を通り抜けると、本日最後の渡船となる天保山渡船乗り場に到着しました。

 

【写真上】:住友化学の工場南側を走ります。15時半を過ぎていたので西日が強くなる時間帯でした。

【写真下】:USJのシティウォーク大阪をバックに私のMTBを撮影。初めて見るUSJ関連施設だったりする・・・(;´∀`)

◆天保山渡船

 乗り場に到着しますが、ここも少し前に便が出たばかりなので20分ほど待つことになりました。天保山渡船は阪神高速湾岸線天保山大橋の真下にあり、此花区桜島と港区天保山を結ぶ全長約400mの渡船です。USJと天保山周辺の観光施設を結ぶので、うまく使えば観光にはちょうど良い渡船となるでしょう。外国人の利用も多いそうなので、もしかしたらUSJの一施設と思われているのかも知れません。 

 休憩をとっていたとは言え、10時過ぎから延々と自転車に乗って移動していました。さすがに疲れたのか待合室に入って座り込む私たち。さすがに平均年齢3●歳となると疲れます。しばらく待合室で休んだ後、乗り場周辺をウロウロして撮影します。

 対岸にはハーバービレッジや大観覧車が見えています。桜島側乗り場のほぼ正面は天保山埠頭で、外国客船が時々停泊しています。なるほど、(渡船乗り場からの移動手段はさておき)埠頭からUSJに移動するには一番速い手段ですなと、現地に来てようやく悟りました。(^^;)

 ここもそれなりに利用客は多いようで、しばらく待っていると自転車に乗った方達が集まってきま

す。時間帯にもよるのでしょうか、出発までに15人ほど待っていました。

 やがて対岸の天保山側乗り場から渡船が出発。ゆっくりと安治川河口と渡ってきます。本日8つ目の渡船ともなると、撮影するタイミングもばっちり分かります。

 やがて到着。すぐに乗船が開始されます。ここもどちらかというと地元の方達の生活手段となっているようで、「あら○○さん、どこいってたん?」という会話を耳にしました。またUSJに勤務している人も利用しているのでしょう。アトラクション関係で来日している金髪の若いね〜ちゃんも乗っていました。ヽ(゚∀゚)ノ

 渡船は南東に向かって進み始めます。ゆっくりとした速度で淡々と河口を横切り、天保山側乗り場手前で大きくS字を描いて乗り場に入りました。大阪港の渡船の中では最長となる渡船だけに、時間にして3分ぐらいでしょう。16時過ぎに天保山側乗り場に到着。

 天保山側乗り場は桜島側乗り場と比べるとやや狭めです。乗り場は天保山公園の北東端にあり、遊歩道の行き止まりにありました。

 これで大阪港の渡船8系統を全て乗船。オフ会の目的はほぼ達成できました。あとは山登りだけです。

【写真上】:天保山渡船の船体は水色でした。波しぶきを上げてやって来ます。

【写真中】:利用者は多い方です。USJを結ぶためか、外国人の利用もあるようです。

【写真下】:天保山乗り場から撮影。天保山大橋をくぐって進むのは遊覧船『サンタマリア』号です。

◆さぁ、山登り

 乗り場では自作のロードタイプの自転車に乗ったおっちゃんと話します。本日私たちが走ったルートを、いつもは2時間でまわっているそうです。木津川渡船の時間に合わせて他を回れば2時間は可能だとか。「今日は(組み立てた後の)試運転だよ」と元気に甚兵衛渡船に向かって去って行きました。元気なおっちゃんです。

 おっちゃんを見送った後、天保山公園に入ります。日本一低い山である天保山に登って頂上で万歳三唱して記念撮影するためです。ところが天保山公園は散って行く桜を惜しんで最後のお花見を楽しむ人達で混んでいました。その中をMTBで通り過ぎ天保山に到着。天保山は公園内にあります。山と言うよりは公園内にある広場の一つのように思えます。

 天保山というは、約6500万年前まで活動していた活火山で・・・ヘ(^o^ヘ)\(_ _;)< ウソカクナ・・・ 元は19世紀中頃に安治川河口の工事で出た土砂を積み上げた”築山”で人工的に作られた山なのです。当初は20mあったのだが削られたりして今では約4.5mとなり、『日本一低い山』として認定

されています。どうみても山には見えません。隣にある階段を登った所にある丘(広場)の方が標高が高く、そちらに間違えて行く人も多いとか。(^^;) まぁ、知らなかったらそうなるでしょうな。

 わざわざ天保山に登山にやって来たというおっちゃんと出会い、三角点で写真を撮ってあげます。その後で我々も頂上を示す三角点で皆で記念撮影します。あ、『日の丸』扇子を持ってくるのを忘れた・・・_| ̄|○

 記念撮影終了後、MTBで集合場所となったローソン前に移動。瀧音さんの記録によれば、移動距離は30kmだったそうで。Σ(゚Д゚;)マジッ!? ほんと、よ〜走りました。

【写真上】:天保山の二等三角点であめふらしのMTBを撮影。

【写真下】:同じく二等三角点で参加者の皆さんと記念撮影。登頂成功!ヽ(゚∀゚)ノ 『日の丸』が欲しかった・・・。

★日本一低い山 〜天保山(てんぽうざん)〜

 

●天保山(てんぽうざん)

 天保山は大阪市港区築港3丁目の天保山公園内にある、標高4.53mの山です。もともとは

1831年(天保2年)から始められた安治川河口の工事によって出てきた土砂を積み上げたのが

山の始まり。人工的に作られた山すなわち『築山』というのが天保山の正体なのです。

 さて登場した当時の天保山は、標高20mほどの高さがあったため、大坂港に入港する船の目印となりやがて高灯籠(今で言う灯台)まで設けられました。また山には松や桜が植えられ観光スポットとしても整備されました。歌川広重などの浮世絵にも描かれています。

 しかしその後、山の土を削り取ったり地盤沈下によって標高は年々低下。やがて地図上からも山の名前は消されますが、19

98年(平10年)に地元住民の熱心な運動によって再び”山”として認定され、国土地理院発行の地図に名前が載ります。頂上

には二等三角点が設置されており、国土地理院から正式に”山”として認定されました。以来、『日本一低い山』として観光スポ

ットになっています。

 ちなみにここで言う『日本一低い山』の条件とは、『国土地理院発行の地形図に山名が載っている』ことであるので、当然ながら他にも『日本一低い山』があります。┐(´ー`)┌ 

 なお天保山は、1868年(明治元年)3月に時の明治天皇が初めて観艦した場所で、『日本帝国海軍発祥の地』とも呼ばれています。ちなみに当時の日本海軍艦艇は旧諸藩の軍艦の寄せ集めで、全艦艇の重量を合わせても当時親善目的で入港していたフランス海軍軍艦1隻にも満たなったそうです。(satounoさん談)

【写真】:天保山頂上には二等三角点が設置されています。『山』である証明です。

なお写真は2001年(平13年)11月に撮影したもの。当時は手製の看板がありましたが、

いつのまにやら撤去されていました。

●日本一低い山

 探してみたら天保山以外に4つほどありました。

>>大潟富士(秋田県南秋田郡大潟村)

 海抜0m。( ゚д゚).・・・ヤマナノ? 山周囲が海面以下にあるそうで、地平面から約3.78mの地点にあるそうです。地形図への掲載はされていないとか。

>>日和山(宮城県仙台市)

 標高6.05m。明治時代の築山。天保山が地図上から消えていた頃から『日本一低い山』を称しています。

>>弁天山(徳島県徳島市)

 標高6.08m。『自然の山として日本一低い山』だそうです。登山証明書有。

>>蘇鉄山(大阪府堺市)

 標高6.80m。全国に972点ある一等三角点が設置された山の中では『日本一低い山』。登山証明書有。

 

 ・・・だそうで。┐(´ー`)┌  なお日本一高い山は標高3776mの富士山です。

●交通手段

 大阪市営地下鉄中央線「大阪港」駅より徒歩約10分。天保山渡船乗り場近く。海遊館からすぐ近くにあるので、帰りにどうぞ。

少し離れた所にある『山小屋』という喫茶店で「登山証明書」を発行しています。記念にいかが?(=゚ω゚)ノ旦~

◆チャリオフ会無事終了!

 簡単な打ち上げと登山証明書をもらいに『山小屋』という喫茶店に向かいますが、16時で営業は終わりとのことでシャッターが下りていました。登山証明書はもらい損ねます。仕方がないので近くのファミレスに移動。休憩を兼ねて打ち上げすることにします。

 しかし一番遠くから参加している瀧音さんは、これからMTBで30kmほど走らないとならないため、寄らずにすぐに帰るとのこと。ファミレス前でお別れです。お疲れ様でした。(・ω・)>

 ファミレスで1時間弱居座って体力の回復を図ります。17時頃にファミレスから出て解散となります。ko-chanさんは甚兵衛渡船に乗って難波方面に移動するためすぐに出発。satounoさんとタヌさんは「中央大通り」を東へ、あめふらしは「みなと通り」に入ったため各自バラバラに自宅へと向かいます。

 途中、日本橋の電気街に寄っていたので、あめふらし@管理人が自宅に到着したのは19時過ぎ。自宅から南港まで片道約10kmだったので、往復20km走ったことになります。そして本日のオフ会での走行距離30kmを加えると、なんと一日で50kmほど走ったことになります。Σ(゚Д゚;) チャリやMTBで一日50kmも走ったのは今回は初めて。自己最高記録となりました。

 晩に掲示板やメールなどで参加された方々の無事帰宅を確認。瀧音さんはなんと一日で98kmほど走られたそうで・・・。お疲れ様でした。m(_ _)m

 何事もなく無事にチャリオフ会は終了。快晴の一日で実に楽しいオフ会でした。 バイクツーリングとは違って、会話しながら走ったりすることが出来るので新鮮なツーリングでしたね。こりゃおもろい。また企画します。

 参加された方々、お疲れ様でした。(=゚ω゚)ノ旦~

翌日、体中がだるい。痛い。腰から下に力が入らないという状態に・・・。(;´∀`) 翌日からしばらくの間、仕事は辛かったッス。

【第1回チャリオフ会レポート終わり】

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