東北ツーリング2001

 

2001年(平13年)10月24日(水)〜10月30日(火)

2001年10月24日(水)午前8時半。

福井県敦賀市の敦賀フェリーミナルに立つ管理人@あめふらしの姿があった。

東北&北海道2001より帰って来てから約1ヶ月。

管理人@あめふらしは東北へと向かう。

 

仕事はどーした?

 

東北ツーリング2001 その1

2001年10月24日(水) 【自宅→敦賀FT:227km】

出発日の朝

 今回のツーリングを思いついたのは2001年6月頃。最初は長崎県五島列島に行こうと考えていた。9月の東北・北海道ツーリングの帰りには『来月は五島列島だな』と考えていたのだが、2001年10月初旬発売の某バイク雑誌に載っていた『八幡平特集』を読んで八幡平の紅葉を見たくなった。この時期の東北は寒いかとも思い、どうするか悩んだが、「八幡平の紅葉は綺麗やでぇ〜」と勤務先に出入りしている業者のおっちゃん(旅好き)の一言で東北に行くことを決断した。

 この前の週末にバイク用品屋に行き、冬用ジャケットと防寒具を新規購入。また古くなっていたレインウェアも新しく購入し、万全の体勢で出発の日を迎えた。

早朝の移動

 今回は新日本海フェリーの敦賀・苫小牧東便を利用することにした。途中、新潟港と秋田港に寄港する便で、秋田港に午前6時に到着するのだ。東北ツーリングにはちょうど良い時間帯に到着するので、今回初めて利用することにしたのだ。敦賀FT発は週4便。日程の都合から水曜日発の便に乗ることにした。ただ2001年10月の敦賀FT発は午前9時45分。遅くても午前8時半にはFTに到着しないといけないのだ。今までの走行DATAから大阪の自宅〜敦賀FTは3時間かかるので、5時半頃には出発しないといけないことになる。

 そんなわけで起床は午前4時半。まだ陽は昇っておらず真っ暗だ。バイクに荷物を取り付けた後、朝食を食べる。大阪の10月下旬と言えども朝は少し寒い。冬用ジャケットと防寒ズボンをはいて5時50分頃に自宅を出発した。『旅』の始まりである。自宅発のツーリングで日の出前に出発するのは初めてのことで、いつもは車が行き交う近所の道路には車は1台も走っていない。ひんやりとした早朝の空気の中を進んで行く。

 岸和田和泉ICから阪和道に入る。ここから敦賀ICまで一気に高速道路を走って行く。朝の6時頃だというのに、大型トラックはともかく背広姿のドライバーが運転する車が多い。通勤ラッシュが始まっているようだ。松原JCTを過ぎると周囲が明るくなってきた。どうやら日の出を迎えたようだ。

 午前6時半に吹田料金所を通過して名神高速に入る。大型トラックや乗用車が多く、平日の通勤時間帯であることが分かる。天王山TNを越えると東の方角には朝日がサンサンと輝いている。『旅』で見る太陽はどこか違うように見える。

 京都南IC手前から予想外の渋滞。ICから下りる車とその先の工事による渋滞だった。大津ICを過ぎると下り坂となり走行ペースが上がったが交通量は多く、80k/h前後で流して走る。栗東ICを過ぎると交通量はかなり減り、走行ペースを上げることが出来た。荷物満載のZRX1100ながら100+αk/hのスピードで走る。その甲斐あってか、午前7時40分頃に米原JCTに入り米原検札所に到着する。ここから敦賀ICまで約45kmなので気分的に楽になる。北陸道に入ると車はほぼ皆無。快適に進んで行く。ヘルメットの隙間から入る風が寒い。湖東の朝は気温が下がっているのだが、冬並の防寒具を着ているので寒さは感じない。賤ヶ岳SAで給油。ここで荷物満載のバイクを見かける。

 賤ヶ岳SAを出て北陸道を敦賀ICまで走る。ICでR8に下りて敦賀FTへ向かう。いつもは夜にFTから高速に向かって走るので、逆方向を朝に走るのは不思議な気分になる。午前8時20分、敦賀FTに到着。乗船するフェリー『しらかば』はすでに接岸しており、トラック関係の積み込みが行われていた。

新日本海フェリー

 日が昇ると気温が上昇してきた。いつまでも冬装備でいると暑くて仕方がないので、着込んでいた物を脱ぐ。シーズンオフと言うこともあり、これから北海道や東北に向かうというライダーの姿はない。乗り場に待機するライダーは私1人だけ。これは寂しいことである。ターミナルに行き乗船手続きを終える。

 秋晴れの天気。FT周辺には釣りに来た人達が釣り竿を持ってウロウロしている。のんびりし

た風景だ。この時間帯、大阪では通勤ラッシュが最後の山場を迎える頃だ。そんなこととは無

縁というようにゆっくりと時間が流れている。私の回りの時間帯は『非日常』となっているようだ。

 やがて一台の荷物満載のバイクがやってきた。賤ヶ岳SAで見かけたライダーだった。聞くと、今朝、名古屋の自宅を出発し、荷物満載のホンダSRで高速をひた走って来たのだという。私と同じく秋田までフェリーで移動し、その後日本海沿いに南下。鳥海ブルーラインを走った後東北内陸に入り仙台へ出て、フェリーで名古屋に戻るというツーリングだそうだ。名古屋の郵便局員だそうで、有給を取ってのツーリングだそうだ。

 9時15分に乗船開始。結局、バイクは私と郵便局員の2台だけ。乗船する車も少なく、車両甲板は閑散としている。いつもの新日本海フェリーならば、荷物を持って歩くのが困難なほどバイクや車で満杯なので、かなり違和感を感じる。シーズンオフはこんなものなのだろうか?

 いつものごとく二等寝台に居場所を定め、荷物を置いて楽な服装になる。9時45分、フェリー

は敦賀FTを出航。日本海を一路新潟港目指して進み出した。いつもは暗闇の敦賀湾を見ていたのだが、今日は明るい太陽の下、総天然色の風景を楽しむことが出来た。陸地には国道8号線を走るトラックの姿が見える。反対側は敦賀半島が見える。半島の先端には敦賀原子力

発電所や高速増殖炉『もんじゅ』があるのだ。敦賀半島から西の日本海岸は日本有数の原子力発電所の林立地帯。ここで何かあれば、中京〜近畿にかけての地域は壊滅的な被害を被る。中京〜近畿の人達は、常に原子力発電所の危険性と隣り合わせに生活していることを全く自覚していない。

 甲板をぶらぶら歩いていると、大阪府堺市から来たという初老の夫婦とであった。旦那さんが定年を迎え、息子達も独立して悠々自適の生活を過ごしておられるのだという。昨晩は敦賀に一泊しての乗船で、新潟港で下船して南東北を車で回って仙台からフェリーで名古屋に移動し

て大阪に帰るという。15分ほど甲板であれこれ話していたが、旦那さんはほとんどカメラで周囲の風景を撮影していた。

 ベットに戻ると、朝早く起きたこともあって疲れて気分が悪くなった。一寝入りして16時頃から風呂に入る。一番風呂で気持ちが良い。フェリーの風呂というのは面白い。海面の波に合わせて同じような形の波が風呂にも出来るのだ。船が傾くと風呂も傾くので、それに合わせて右に左にと体が移動して行く。時化の時に入るとかなり楽しめるのだ。

 風呂から出た後、一休みして18時半頃に夕食を食べる。食後、やることがないので21時前からロビーでテレビを見て過ごす。NHK衛生放送で今井美樹の教会ライブのドギュメント番組を放映していた。敦賀から乗船した人は少ないようで、船内は閑散としていた。

 20時過ぎから新潟で下船する人達がロビーに集まってきた。新潟で下りるという夫婦もロビーで座って待機している。その間、東北のお勧めの場所とかで話をする。全く知らない人と、こうして話が出来るのは『旅』の良いところだ。

 21時20分、フェリー『しらかば』は予定通りに新潟FTに到着。先ほどの夫婦はここで下船していった。出航は23:50なので一時下船も考えたが、外は大雨。敦賀はあんなに良い天気だったのに・・・ 係員に尋ねると、20時半頃より雨が降り出したという。歓迎の雨だろうか?

 一時下船してもFTの回りには何もないので下船をやめる。甲板の上から待機場を見てみるがバイクの姿はない。関東のライダーの多くは、東北に行くとすれば高速を使って移動するのだろう。大型トラックやトレーラが忙しく荷物を積み込んでいる。

 23時頃に観光バスが到着。そのバスに乗っていた団体さんが乗船して来たので、船内は多

少にぎやかになった。

 23時50分、フェリーは新潟FTを出航。明日は早いのでベットに潜り込む。明日の秋田が晴れていることを願いつつ眠りについた。

2001年10月25日(木) 【秋田FT→岩手県松尾村民宿『とど松』:297km】

朝の秋田

 午前4時頃に目が覚める。ツーリングに出かけると体は勝手に『旅人モード』に変わり、いつものダラダラした生活パターンから日の出になると自然に目が覚めるようになる。不思議なものだ。向かいで寝ていた郵便局員も起きてくる。挨拶してから荷造りを始める。

 午前6時、フェリー『しらかば』は秋田FTに到着。我々2人が下船すると車両甲板からはバイクの姿が消えた。FTに下りて駐車場に一旦バイクを停める。早朝まで雨が降っていたようで路面が濡れている。雨の影響もあるのだろうか、大変寒く、吐く息が白い。10月下旬の東北の朝

は結構寒いのだ。

 東の方角から朝日が昇り始めていた。雲はすでに去っており今日は晴れそうな天気だ。名古屋の郵便局員が出発して行くのを見送ったあと、私も出発。東北ツーリングの開始である。

入道崎

 9月に秋田を走ったときは、フェーン現象で34度という酷暑の中を走っていたのだが、1月半ほどしか経っていないのに気温差が大きいのに驚く。かなり寒いが、今回購入した防寒具の効果は抜群で、風は通さないし熱も逃げない。寒さは全く気にならない。冬装備で持ってきたのは正解であった。

 R7に入り秋田市街を北上する。早朝なので交通量は少ない。昭和町まで北上した所でR101にスイッチ。まずは男鹿半島の先端の入道崎へ向かう。9月にも訪れようとしていたのだが、時間の都合で断念したのだ。 男鹿半島を走るR101は、秋田県秋田市と青森県青森市を日本海に沿って結ぶ3ケタ国道。男鹿半島の区間は迷走することで有名で、もう1つのHPの取材も兼ねて今回走ることにしたのだ。

 クネクネと曲がる道は人気のない町中を進んで行く。午前7時頃になると、早くも学校に通う小学生の姿があった。世間では今日は平日であることを気付かせてくれる。

 R101をひたすら走り男鹿市へ入る。男鹿市市街を抜けると田畑が広がるのんびりとした農村の雰囲気が漂うローカル国道となる。男鹿市男鹿中山町地区でR101から離れてr55に入る。アップダウンのある2車線道を淡々と進んで行き、午前8時過ぎに入道崎に到着した。

 途中で曇ったりしたが入道崎まで来ると空は晴れてきた。昨晩の雨でホコリが落とされたのだろう、気持ちの良い青空が広がっている。日本海の青色も素晴らしく映えており、実にすがすがしい景色が広がっていた。遠くの海上を白い船が進んで行

く。秋田FTを午前6時50分に出航したフェリー『しらかば』だ。つい2時間ほど前まで乗っていたフェリーがのんびりと進んで行く姿をバックに記念撮影する。

 入道崎の岬一帯は灯台と北緯40度のモニュメント以外何もなく、広々とした芝生になっている。北緯40度線が通っている付近に経ってみる。実際に線が引かれているわけではないが、この延長上に北京、ナポリ、フィラデルフィアがあるかと思うと、おもしろく感じる。日本人はこういう北緯○度線や東経○度線というのが気にかかる性質のようで、末尾が「0」,「5」だとモニュメントや看板が設置されている場合が多い。例えば東経135度線は兵庫県を縦断している

が、縦断する市町村の幹線道路には『東経135度線』のモニュメントが設置されているという。こういうのを求めて旅をするのも面白そうだ。

 入道崎灯台には登ることが出来るのだが、あいにくと改修工事のために登ることが出来なかった。ぶらぶらと草原を散策していると、どやどやと観光バスがやって来る。バスが到着すると、バスの出入口に行商のおばちゃん・おばあさん達が並んで土産物を売っていた。目の前に土産物屋があるにもかかわらずだ。ここ独自の風景なのだろうか。

 時間を見るともう午前9時前だ。人気(ひとけ)のない入道崎は、観光地らしくなってきた。人の多い観光地は苦手なので、そろそろ出発することにした。

迷走国道101号線

 出発直前に腹の具合が悪くなり公衆便所で用を足す。観光地だけあって水洗トイレで綺麗に掃除してあった。身も心も軽くなり入道崎を出発。岬を半時計回りにr121を進んで行く。沿道に何もない舗装を10分ほど進むと八望台に到着。

 駐車場にバイクを停めて展望台に上ってみる。ここの展望台からは一ノ目潟と二ノ目潟を見ることが出来る。一見すると森の中にある小さな湖なのだが、実はかの昔に火山性ガス爆発で地表が吹き飛んで出来た窪みに水が溜まって出来た、『マール』と呼ばれる、世界的にも珍しい特殊な火山湖なのだ。さすがは火山列島『日本』。実におもしろい火山湖である。

 R101に戻る。男鹿市男鹿中山町からは海岸沿いを少しだけ進む。荒涼とした日本海の海岸という雰囲気が漂っていた。男鹿市五里合箱井の集落から『迷走国道』ぶりを見せつけられる。いわゆる『村の道』の様な1車線幅の狭路が続き、案内標識がなければ確実に迷うような交差点をクネクネと曲がって進んで行くのだ。

 「これは案内がないと迷うなぁ〜」と思って進んでいたら、案内標識のない交差点でルートから離れてしまい、R101を見失ってしまった。気が付くと狭い2車線道に出たのでそのまま走って行くと、どう見ても『村の道』としか見えない0.8車線幅の狭路が分岐している交差点に着い

た。その狭路の脇にはR101の標識が設置されていた・・・ 狭路に入り集落内に進み、先ほど間違えた交差点まで戻る。そこはどうみても国道の交差点とは思えない交差点であった。さすがは『3ケタ国道』。奥が深い。

 集落内にあった自動販売機の前で停まり休憩する。早朝はあれほど寒かったのに、太陽が出てくるとかなり気温が上昇してしまった。ここまで冬装備のまま走ってきたので暑くてたまらない。冬装備を脱いでバイクにくくりつけ、身軽になってR101のルートを追って行った。(詳しくはこちら

「茄子持ってけ」

 先ほどの0.8車線幅の道と2車線幅の道の交差点まで戻る。この交差点の写真を撮影していると、脇の畑で農作業していたおばちゃんが現れた。どうやら先ほどからの怪しい行動を見ていたのだろう。地元の人ぐらいしか走らない狭路を荷物満載のバイクで1往復もすれば、そりゃ目立ちますわ・・・(^^;)

 おばちゃんは交差点角にある農作物の無人販売所の持ち主だった。東北弁(秋田弁?)でいろいろと話しかけられるが、正直なところ、最初は何を言っているのかさっぱり分からず、理解するまで時間がかかってしまった。大阪から来たこと、今朝方秋田港から入り東北をツーリングしている事を大阪弁で話す。あっちも最初は『?』という顔をしておられたが、2回ほど同じ事を話すと、大体は理解して頂けたようだ。

 しばらく話していると顔見知りらしい近くの親子連れがやって来た。おばちゃんはそちらの親子と話し始める。東北弁での会話が始まった。これが何を話しているのかさっぱり分からない。これは退散すべきかと思い、会話が一段落したところを見計らって挨拶して出発しようとすると、おばちゃんに『ナス持ってけ』と言われた。

 ナス?茄子ですかぁ?紫色したあの野菜。泉州地方の特産『水茄子』の原料。まさか「ナース」ではありませんやろなぁ?白衣の天使のねーちゃんなら、持って帰らせて頂きますが・・・(注1) などど1人でボケている場合ではない。生の茄子をもらったところで食べることが出来ない。今晩泊まる宿に出して調理してもらおうかなどと考えつつ丁寧に断ろうとしたら、手渡されたのはだった。(^^;)

 東北弁特有の発音だろうか。『 i 』音が『 u 』音となっただけなのだった。『nas(なし)』→『nas(なす)』ということ。「おっちゃんが言うのも何やけど、異文化コミュニケーションっちゅうんかぁ・・・」(注2) まさに異文化コミュニケーションであった。小さい日本でも、言葉だけでも大きな違いがあることを身をもって体験した出来事だった。

 それにしても少し話しただけの行きずりの旅人に、梨を2つも下さるとは・・・ 都会では滅多にお目にかかれない、見ず知らずの旅人に対する田舎の人の温かさを感じることが出来た。こういうことを体験できるから『旅』はおもしろい。

八郎潟

 R101を北上して秋田県若美町に入ると、広大な干拓地が見えてきた。八郎潟である。かつては日本第2位の広さを誇った湖であったが江戸時代から干拓が始められ、現在は広大な水田が広がる。八郎潟の干拓地はそのまま大潟村という1つの村になっている。

 干拓地は区画整備され道路は計画的に建設されたようだ。道は曲がりくねることなくほぼ直線的に建設されている。どこか北海道を思わせる光景が広がる。見通しの良い直線道路が続くが、どこかで得度取り締まりをしていそうなので、大人しく走る。

 r42(県道男鹿八竜線)を南下して行くと、北緯40度線のモニュメントが現れた。入道崎のモニュメントから一直線に東に進んでくると、このモニュメントに到着するということになる。ここから少し東には北緯40度線と東経140度線の交会点のモニュメントがあるというので、そちらにも寄ってみることにする。

 水田の中を突き進む直線道路を進んで行く。すでに稲刈りは終わっており、水田には切り取られた稲の跡があるだけだ。舗装されていた道は、やがて固い路面のダートという感じの道になる。半舗装路というのだろうか、中途半端な状態になる。そんな道を進んで行くと、北緯40度

線と東経140度線の交差モニュメントがあった。広大な水田の中にポツンとモニュメントだけが建っている。モニュメントを背景に記念撮影。こういうモノには弱いあめふらしである。

 このように、末尾が「0」と「5」の数字の緯度経度線が交差するのは、日本ではここと兵庫県西脇市だけ。兵庫県西脇市は北緯35度線と東経135度線の交差点で『日本の中心』になっている。ちなみに北緯35度線と東経140度線は共に千葉県を通り抜けているが、北緯35度線と東経140度線の交点は千葉県丸山町沖の海上なので、残念ながらモニュメントはない。

八幡平へ

 R101に戻って再び北上を続ける。今回のツーリング最初の温泉となる砂丘温泉『ゆめろん』に空腹状態で到着。しょうゆラーメンで腹を満たしてからナトリウム塩化物泉の湯に浸かり疲れを癒す。ここの大浴場の内湯からは日本海を一望することが出来る。夕方に来ればすばらしい光景に出会えるかも知れない。

 R101を走りきりR7へ入る。ここからは淡々と国道を走るだけとなる。途中でr324(あきた北エアポートライン)という大館能代空港へのアクセス道路に入る。空港へのアクセス道路だけあって道は整備された高速道路並みの2車線道。車はほとんど走っていないのでかなり快適に走ることが出来る。やがて大館能代空港前を通過。何もない山中に突如として現れた空港の大きさに驚く。

 続いて9月にも走ったR285に入る。交通量の少ない2車線道を、速度を出さずにゆっくりと走って行く。途中で撮影しようとバイクを停めると白バイに追い抜かれてしまった。こういう場合、白バイはたいていどこかに隠れて待っていることが多く、警戒して60k/hぐらいで走って行くと、湯ノ岱温泉の直前で先ほどの白バイに再び抜かれてしまった。どこに隠れていたのだろうか? あとでGSの店員に聞いたことだが、r324〜R285は『白バイの巣』とのこと。r324で捕まらなかったのは幸いであった。

 10月末の東北の山間は寒く、山間を走っていると体が冷えてくる。9月の時は暑くて通り過ぎた湯ノ岱温泉に立ち寄る。山間にある静かな公衆浴場だ。少し白濁した湯に浸かり、冷えた体を温める。東北にはこういう静かな温泉が至る所にあるというのはうらやましい限りだ。関西でも最近はあちこちに温泉が出来てはいるが近代的な温泉で料金は高い。静かな公衆温泉浴場は場所が限られてしまうのだ。

 温泉からでる。外はかなり寒く感じたのでオーバーパンツをはいて出発する。R285を走ってR103へでる。そのまま東へ向かい、鹿角市市街でR282にスイッチする。

 R282に入ったところで撮影していると、突然轟音が聞こえてきた。上空をアメリカ空軍のC130輸送機が2機も飛んで来たのだ。雑誌とかテレビで見たことはあるが、実際に飛んでいる機体は初めて見た。左写真の標識と電柱の横に写っているのがC130だが、この時見ても大きくエンジン音は大きかった。間近で見るともっと巨大な機体なのだろう。C130は離着陸訓練の最中なのか、ゆっくりと右旋回しながら大館能代空港へと向かって行った。この頃はアフガニ

スタン紛争の真っ最中。飛んでいた輸送機がアフガンに向かうのかどうか分からないが、少し身近なところに「戦争」の影を感じてしまった。

 予定ではこのままR282を下って行くつもりだったが、16時頃になるとすでに陽が沈み始めていた。交通量も多くペースが上がらない。このままでは途中の峠を越えるのは日没後になってしまうので鹿角八幡平ICから東北道に入り、一気に高速を走って行くことにする。東北道は一旦東に進路を向ける。秋田県から岩手県に入り、八戸自動車道との安代JCTを越えると進路を南に向ける。竜ヶ森TNを越えて岩手県松尾村に入ると岩手山が見えてきた。夕焼けを背景にして岩手山は頂上付近がオレンジっぽくなっている。麓は徐々に影の部分が広がりつつある。よくよく見てみると、岩手山山頂付近が白くなっていた。雪が積もっていたのだ。宿に着いてから分かったことだが、気象台としての発表はないのだが、この日は岩手山初冠雪だという。どうりで寒いわけだ。オーバーパンツをはいて走ってきて正解だった。

 松尾八幡平ICで高速を下りる。r45(県道柏台松尾線)を西に向かう頃には、黄昏時を迎え徐々に薄暗くなりつつあった。吐く息でシールドが曇る。やがてr23(県道西根八幡平線)との交差点に到着。ここを左折して松尾村柏台の町中へ向かってすぐの所で、今回お世話になる民宿『とど松』に到着した。16時40分頃であった。

民宿『とど松』1泊目

 民宿『とど松』はインターネットで調べていてたまたま見つけた宿であった。いつも泊まるYHや『とほ宿』ではない。純粋な民宿で、今回はここに2泊することにしていた。

 玄関から入ると人の気配が全くしない。『すんませぇ〜〜ん』とベタベタの大阪弁で呼ぶと、奥から返事があって宿の奥さんが出てきてくれた。宿泊手続きをしながら話を聞くと、今日と明日の宿泊客は私1人だけだという。まさしく貸し切り状態となるのだ。民宿の場合、1人だと断られることが時々あるのだが、断られることはなく予約することが出来たのはありがたい。

 指定された部屋に入ると、すでにストーブが動いており部屋は暖かかった。こういう気遣いは大変うれしいのだ。一段落してから広い食堂で1人だけで食事をしながら、奥さんと少し話をする。聞くところでは、以前は東京でOLをしておられたそうだが、数年前にご主人と一緒に松尾村に戻って来て民宿を営んでいると言う。

 大阪には行ったことがないと言うので『是非大阪に来て下さい』と話すと、そこから旅の話になった。

あちこちの話をすると、こうして日本中をぶらぶらと旅行して各地の風景を見ることが出来る生活(身分)が、とてもうらやましいと言われた。やはりこういう身分は特別なのだろうか?ずっと働いて来られ

た方々にはそのように写るのかも知れない・・・

 夕食の後、部屋に戻る。秋田で頂いた茄子もとい梨を頂く。甘くて美味しい梨であった。記録をまとめ簡単な日記を付けると時刻は23時を回っていた。早朝から走ってきた疲れもあり寝ることにした。布団に入るとすぐに深い眠りに落ちた。

注1:茄子から看護師(ナース)に持っていくのが大阪人の発想パターン。この時もこう考えたかどうかは定かではありません。相手が大阪人であれば、間

   違いなく『綺麗な白衣の天使なら、なんぼでも持っていきまっせ』と言っていたことでしょう。『それはナース(看護師)やがな!』という突っ込みを期待す

   るのです。(^^) ちなみに『ワイルド星人の宇宙船』と発想した方はその筋の方です。

注2:2002年夏頃に放送していた英会話スクール『NOVA』のCF。「関西弁を話すイタリア人」、「イタリア語を話す関西人」などが出てきて、最後のオチ

   が「関西弁を話す宇宙人」でした。宇宙人が「おっちゃんが言うのも何やけど・・・」と話してCMが終わっていました。このころの私の口癖が「おっちゃん

   が言うのも・・・」で、もろCMの影響を受けていた1人でした。ところでこのCF、関西弁というのは近畿限定なのでしょうか?東京では関東弁、名古屋

   では名古屋弁バージョンがあって放送されていたのでしょうか?う〜む、気になる。   

◇彷徨猫的観光案内

■入道崎

 男鹿半島の北西端に位置する岬。北緯40度線

上にある岬です。岬一帯は広大な芝生となってお

り、広大な日本海を一望できる絶景岬となっています。馬や牛は放牧されていないので(多分・・・)

、糞などはありません。寝転ぶ事も出来ます。

 岬には北緯40度線を示すモニュメントやストーサ

ークルのようなモニュメントがあります。

 入道崎灯台は内部に入って登ることが出来る数

少ない灯台の1つですが、訪問したときは工事中

で登ることが出来ませんでした。また違った風景を

見ることができるのかも知れません。

 なお付近一帯ではキャンプは出来ません。

 上写真は北緯40度線のモニュメントから見た灯

台。石柱の先端にある割れ目は真北の方角を示し

ています。右に立っているのは古い木標です。

●駐車場

 バイク・車は駐車場に無料駐車場に停めること

ができます。土産物屋が建ち並んでおり、食事も

可能です。営業は午前9時前頃から。元気な行商

のおばちゃんやおばあちゃん達も特産品を売っています。

 土産物屋の前には、『なまはげ』の人形も置か

れています。

 駐車場端にWCあり。水洗でちゃんと清掃され

ており清潔です。(紙あり)

●アクセス

 秋田県男鹿市羽立地区からR101〜r55(県道

入道崎寒風山線)で約20km。途中で『なまはげ

ライン』という観光道路を走ると早く到着できます。

■八望台

 入道崎の付け根付近にあるのが八望台です。

小さな山の上にあり、ここの展望台からは東に一

ノ目潟、西に二ノ目潟を見下ろすことができます。

もう1つ三ノ目潟もあるのですが、展望台からは見

ることは出来ません。

 これらの湖は全て『マール』と呼ばれる世界的に

も珍しい特殊火山湖。火山活動における水蒸気や

ガス爆発などの火山性ガス爆発によって出来た窪

みに水が溜まって出来た湖です。

 なかでも一ノ目潟は、その噴出物に地球の深い

所にある岩石を含むことで、地質学的にも世界的

に有名なマール湖だそうです。

 大きさは、一ノ目潟が直径約700m・周囲約40

00m・最大深度約43m。二ノ目潟が直径約400

m・周囲約2000m・最大深度10.5m。三ノ目潟

が直径350m・周囲2300m・最大深度31mだ

そうです。

●駐車場

 無料駐車場あり。休憩所がありましたが、営業

しているかどうかは分かりません。

●アクセス

 入道崎からr121(県道入道崎八望台北浦線)を

南下。約9kmで到着します。

 上写真は展望台から見た二ノ目潟。その奥に見

える戸賀湾は『第4のマール』ではないかと言われ

ています。

■男鹿半島の温泉

 男鹿半島には温泉が数カ所あります。2001年

10月のツーリングの時は、時間の都合で男鹿の

温泉には入っていません。

 温泉としては、男鹿温泉や男鹿山温泉『なまは

げゆっこ』がr55から近くの所に。r59沿道には戸

賀温泉、男鹿桜島荘の桜島温泉などがあります。

■彷徨猫的ツーリングコース

 海好きの方ならば、男鹿市市街よりr59(男鹿半

島線)で左回りで進み、r121で入道崎に行くと、

絶えず左側に海を見ながら進むことが出来ます。

距離にして約40kmですが、見通しの悪い小刻み

なカーブが続き、断崖上を行く狭路のようなので、

時間がかかります。 

時間に余裕がない場合は、R101〜r55で走るの

が良いでしょう。

 なまはげ祭りで有名な真山神社にも寄ると、男鹿

半島をさらに楽しむことが出来ます。真山神社には

、なまはげ体験館の男鹿真山伝承館があるそうで

す。ちなみに私はこの神社は訪れていません。(^^;)

【2002.08作成】

2001年10月26日(金) 【岩手県松尾村民宿『とど松』→岩手県松尾村民宿『とど松』:75km】

アスピーテライン

 前日まででかなり疲れていたようで、朝の8時まで熟睡してしまった。朝食を食べて出発の準備をする。今日は荷物を置いて軽くなったZRX1100で八幡平を周遊することにする。

 午前9時半に宿を出発。まずは温泉ということで、町外れにある別荘街近くにある八幡平温泉『森乃湯』に向かう。15分ほどで到着するが、営業は10時からなので近くの森に紅葉を撮影しに行く。周辺は紅葉の最盛期で、赤・黄・緑といろんな葉をまとった色とりどりの木々を見ることが出来た。

 午前10時10分頃に温泉に森乃湯に戻る。乳白色の単純硫黄泉の湯に浸かり、まずは体を目覚めさせる。11時に森乃湯を出てr23ことアスピーテラインに向かう。

 r23(県道西根八幡平線)、通称アスピーテラインは岩手県松尾村と秋田県鹿角市を結ぶ山岳ワインディングロード。この道は1999年(平11年)9月の東北ツーリングの時も走っている。ただこの時は、八幡平付近は濃霧で何も見えなかった。岩手県松尾村まで下って八幡平を見ると、分厚い雲がかかっていたのだ。今回は是非とも快晴の下、アスピーテラインを走ってみたかったのだ。今日は願いがかない、気持ちの良い青空の下を走ることができるのだ。

 アスピーテラインは2車線幅の舗装路。急勾配・急カーブが連続する山岳ワインディングロードだ。松尾村柏台の町中を過ぎると、道は急勾配の坂道となり急カーブが現れる。一気に標高を上げて行き、徐々に山中へと入って行く。覆道(スノージェット)のある区間を過ぎると遠くに廃墟が見えた。松尾鉱山跡で、かつては『雲上のユートピア』とも言われた鉱山町があり、数万人の鉱夫とその家族が居住していたそうだ。1969年(昭44年)11月の鉱山の閉鎖により人々は去り、今は廃墟と化している。

 八幡平スキー場前にある直線区間で観光バスを抜くと、前に車は走っていない。やがて周囲は背丈の低い草木が広がるだけとなり、荒涼とした風景の中を進んで行く。気が付くと左側に雄大な岩手山を見ることが出来た。マイペースで気持ちよくワイディング道路を進んで行き、10kmほど山道を登って行くと見返峠に到着した。

八幡沼散策

 見返り峠は岩手県と秋田県の県境の峠となる。中央分水嶺の峠で、ここを境にして東側の川は太平洋に、西側の川は日本海に流れるのだ。まさしく『日本の背骨』となる峠なのだ。峠では八幡平樹海ラインが合流する。

 峠一体は駐車場と展望台が設けられており、観光バスがひっきりなしに来ては去って行く。有料の駐車場にバイクを停める。周囲を見るとライダーは私1人だけだ。晴れてはいるが、風があるのと気温が低いために寒く感じる。展望台から歩いて20分ほど歩くと着くというので八幡沼

まで歩く準備をする。

 山頂までは登山道が整備されている。登山道と言ってもコンクリートや石畳などで整備された登山道で、階段もあって歩きやすい登山道だ。最初は階段を「ホイッ、ホイッ」と登って行ったが、しばらくすると「ゼー、ゼー」と息切れして来た。持久力の低下は深刻・・・(^^;) 15分ほど階段を登って行くと岩手山を見ることが出来る展望ポイントに到着した。ライダージャケットの下にインナーを着込み、オーバーパンツもそのままで歩いてきたので暑くてたまらない。インナーを脱いで熱気を逃す。

 登山に来ていた若夫婦の奥様と少し話した後、登山道をさらに進んで行く。展望台から左側のルートを進むと、登山道は緩やかな坂道となる。5分ほど歩くと左側にガマ沼が見えてきた。綺麗な水をたたえた沼。その少し先に八幡沼を見下ろす展望

台があった。八幡平の頂上は快晴で、八幡沼の湖面には雲が映っている。頂上の紅葉はすでに終わっていたが、すばらしい風景が広がっていた。(トップ写真参照) その後、標高1613mの八幡平頂上に到着。展望台に上ってみると、周囲は一面常緑樹で、別の景色が広がってい

た。

 下山する時、八幡沼を大回りする木道を少しだけ歩いてみる。広い湿原に人が1人歩くだけの幅しかない木道が延びている。青空の下、何もない湿原に延びる木道。誰もいない湿原に1人で佇んでみる。風は寒いが心地よい。都会の喧噪から離れ、自然を独り占めしているような

気分になった。

 徐々に冬の気配が濃くなって行く風景の中を歩いて駐車場に戻る。2時間ほど歩いていたのでかなり汗をかいていた。着込んでいたので暑くてたまらないので、ジャケットとズボンを脱ぐ。次々やって来る観光客が『寒い。寒い』と言って岩手山をバックに記念撮影している横で、私はTシャツ一枚となって休憩していた。

 しばらくすると秋田県の親戚の家に向かうというライダーと出会う。今回のツーリングで初めて出会ったツーリングライダーであった。 

温泉巡り

 見返峠の展望台を出発してアスピーテラインを秋田県側に入る。八幡平散策の次は温泉巡りだ。アスピーテラインの沿道には温泉が多いことでも有名だ。ツーリングライダーにとって、まさしくパラダイスと言える。

 さてアスピーテラインの秋田県側も2車線幅のワインディングロードが続く。見返峠から8kmほど秋田県側に下り、最初に訪れたのが蒸ノ湯(ふけのゆ)温泉。アスピーテラインから離れて1.5車線幅の舗装路を進む。急勾配の坂道を下ると、山小屋のような建物が現れる。標高約1100mの地点にある、秋田県最高所の温泉である蒸ノ湯温泉だ。宿の受付で入浴料を支払い、ダートの道を2〜3分歩いた所にある露天風呂に向かう。

 蒸ノ湯温泉の露天風呂は、至る所で湯気が噴き出している荒涼とした山中にある、開放感抜群の男女別露天風呂。木製の浴槽に乳白色の硫黄泉が豊富に注ぎ込まれている。浴槽の近くにも湯気が吹き出ている所もあり、生きた山の中で入浴していることを実感できる。

 ここでは山形に住むという2人ずれのおっちゃんと会う。2人は暇さえあれば、こうして東北の温泉巡りをしているという。ここに来る前に玉川温泉と後生掛温泉にも立ち寄ったそうだ。温泉に浸かりいろいろと話をして楽しい時間を過ごした。露天風呂から出た後、温泉宿本館にある内風呂にも入る。こちらも味のある温泉であった。

 次に向かったのは後生掛温泉。蒸ノ湯温泉からアスピーテラインを4kmほど下り、1.5車線の道を進むとある湯治宿の温泉だ。1999年9月のツーリングでも寄った温泉で、今回が2回目の訪問となる。総木造の浴室は、いかにも湯治温泉という感じがする。灰色をした湯は硫化水素泉で、これでもかという位に湯が豊富に注がれている。

 後生掛温泉には天然の蒸気を使用した天然サウナがあり、1人用の小さな箱に入り首だけ出してじっとするというモノ。天然の蒸気が凄い勢いで吹き出ており、しばらくするとどっと汗が噴き出した。10分ほど入っていようと思ったが、不覚にも直接蒸気を吸い混みむせてしまい、涙が出るほど咳き込みリタイアしてしまった。(^^;)

 後生掛温泉の湯を楽しんだ後、団子を食べて出発。気が付くと時刻は16時であった。秋田県側に下りR341沿いの温泉にでも入ろうかと思ったが、すでにこの時期は夜間通行止め規制が行われており、アスピーテラインは17時で通行止めとなることから断念して八幡平を越えて岩手県へと戻った。

 標高1600m近い見返峠を越えるとかなり気温が下がっているのが分かった。せっかく温めた体もすっかり冷えてしまい、指先が冷えてしまった。途中に八幡平温泉があったが入らずに通り過ぎ、そのまま宿に戻った。

民宿『とど松』2泊目

 宿に戻るが宿泊客は私だけ。広い食堂で食事を食べていると、近所のお母さん方がどやどやと集まって来た。小学校の先生もやって来て、卒業式についての打合せを始めたのだ。その打合せを聞きながら1人で夕食を食べる。なんとも家庭的(?)な宿である。(^^)

 宿の風呂に入った後、部屋に戻り記録と簡単な日記を書く。先日頂いた残りの梨を食べてから、なんとなくテレビを見て過ごすが、やることがなくなったので23時過ぎに寝ることにした。 

◇彷徨猫的観光案内

■八幡平アスピーテライン

 アスピーテラインは、八幡平を越えて岩手県と秋

田県を結ぶ無料道路です。正式には県道西根八

幡平線と言います。1970年(昭45年)に完成し

た全長約27kmの2車線道で、急勾配・急カーブ

が連続する山岳ワインディングロードです。

 道路からは、遠くに岩手山を始めとする東北の

山々、周囲や眼下にはトドマツの樹海や大小様々

な湖沼を見ることができます。また、岩手・秋田両

県側とも、沿道には温泉がたくさんあります。

 『走ってよし』『風景よし』『温泉あり』と、バイクツ

ーリングの主要要素を全て兼ね備えた道路です。

東北バイクツーリングの際には、是非とも走って欲

しいお勧めの道路です。

 見返峠は標高1500mほどあるため、時々雲が

かかって濃霧が発生したり、雨場合によっては雪

が降る場合があります。天候によっては風景が全

く見えない場合もありますので、走られる際には

天気予報を見てから行かれるのが良いでしょう。

●通行規制 

 通行可能期間は、4月下旬〜11月上旬までで

す。11月〜翌年4月は積雪のため通行止めになります。

 ただし、4月下旬〜5月下旬までと10月〜11

月上旬の、開通・閉鎖の前後1ヶ月の間は、路面

凍結のおそれがあるため夜間通行止め規制が行わ

れます。この期間中は、17:00〜翌朝8:30ま

で夜間通行止めとなります。この期間に走られる

方は、通行時間に注意して走りましょう。

 通行できないために東北道やR282に迂回する

ことになるやも知れません。

●問い合わせ

 松尾八幡平観光協会:電話 0195-78-3500

■八幡平樹海ライン

 岩手県側にある八幡平に上るもう1つのルートで

す。岩手県松尾村からr212(県道雫石八幡平

線)に入り、6kmほど進むと樹海ラインに入ること

ができます。

 残念ながら、2001年10月に訪れた時は、土砂

崩れによる復旧工事のために通行止めとなってお

り走っていません。(TT)

 アスピーテライン同様、樹海を抜けるすばらしい

山岳ワインディングロードだということです。

 アスピーテラインとは見返峠にて合流します。うま

く使えば、八幡平ツーリングをより良く楽しむことが

可能です。

 樹海ラインも通行規制が行われます。期間はアス

ピーテラインと同じです。

■アスピーテライン沿線の温泉

 岩手県側の麓にあたる松尾村には、八幡平温

泉『森乃湯』、八幡平スキー場近くには八幡平温

泉があります。樹海ライン沿いには松川温泉、樹

海ラインの見返峠近くには籐七温泉があります。

 秋田県側には、蒸ノ湯温泉、後生掛温泉、大深

温泉(日帰り入浴不可)が。秋田県側の麓には志

張温泉、銭川温泉などがあります。少し離れてR

341沿いには有名な玉川温泉もあります。

■彷徨猫的ツーリングコース

 岩手県・秋田県の麓の宿もしくはキャンプ場に拠

点を定めるのが良いでしょう。アスピーテラインを

楽しむには1日丸ごと使うことをお勧めします。

 1泊以上であれば、八幡平樹海ラインもコースに

組み入れ、アスピーテライン〜樹海ラインというコ

ースで山岳ワイディングを楽しみ、沿道の温泉に

入るという手があります。夏期であれば、主立った

温泉をすべて制覇することも可能でしょう。

 見返峠の駐車場にバイク・車を置いて八幡沼まで

散策するのもいいでしょう。散策は3時間もあれば

十分足ります。時間に余裕があるならば、八幡沼散

策だけで1日費やしてもいいと思います。

 アスピーテラインを走る場合は観光バスに注意し

て下さい。急勾配の坂が続くので、かなり遅く走っ

ています。バスを先頭に渋滞も発生することもしばし

ばあります。イラついて無理な追い越しはしないよう

にして下さい。通行時間にも注意!

 

 

【2002.08作成】

東北ツーリング2001 その2

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つーりんぐれぽーと