バイク事故
と、言っても私が事故に遭ったのではない。正確には『事故に遭ったライダーに事故直後に会った』ということになる。 花折TNの京都側の道は2車線幅の急勾配・急カーブが連続するワインディング。荷物満載なのでゆっくりと走って行く。最初の急な右カーブに差しかかると路肩にバイクが横たわり、その横でにーちゃんが立っていた。対向車線側には軽自動車が止まっていて、携帯電話でなにやら話していた。事故のようだ。
呆然として立っているにーちゃんに話しかけると、『大丈夫です・・・』と答えた。擦り傷があるが頭は打っていないようだ。知らないフリをして去るのは気が引ける。坂のカーブの途中だったので止まるわけにはいかないので、少し先の見通しの良い所でバイクを止めて事故現場に駆けつけた。
バイクか車のどちらかがセンターラインをはみ出して接触事故を起こしたのだと思っていたが、実はバイクがスピードを出し過ぎでカーブを曲がりきれずに自爆したのだという。彼が乗っていた新車のCB400Fourはガードレールの下に食い込み、エンジンのクランクケースは割れオイルやガソリンが漏れている。彼は転けた時に投げ出されたが、骨折はしておらず傷を負ったぐらいであった。車の運転手は事故の相手だと思っていたが、たまたま通りがかったライダーでもある郵便局員だった。見るに見かねて止まり、警察に連絡してくれたのだ。バイクには『レッドバロン』のシールが貼られていた。そこで購入したと言うことで、『レッドバロン』に連絡して事故ったバイクを回収するように連絡するよう勧めるが、携帯を持っていないというので私の携帯電話を貸して連絡させた。
やがて警察と救急車が到着した。彼は救急車に乗せられ病院に運ばれた。実況見分が終わる。バイクをこのまま置いておく
と、2次事故が起こるので撤去作業をする。バイクはガードレールの下に深く食い込んでいたので、私も手伝ってバイクを引っ張り出し近くの草むらに置いておく。漏れたオイルとガードレールは問題ないということで、やがて警察は去って行った。郵便局員も去り、現場にはバイクの破片が残っているだけだった。『レッドバロン』にもう電話して詳しい場所を連絡しておく。
すっかり日が暮れてしまった。「彼はもうバイクに乗れない(乗せてもらえない)かも知れない」と思いつつ、17時20分頃に現場を出発した。 |