東北&北海道ツーリング1999

 

 

 

 

期間:1999年9月3日(金)〜9月16日(木)

 

 

 

 

東北&北海道ツーリング1999 その2

1999年9月10日(金)〜9月16日(木)

1999年9月10日(金)

 6:30、フェリーは苫小牧港に到着。いよいよ北海道上陸。1年ぶり4回目の北海道だ。7時前に苫小牧港を出発する。日高自動車道の暫定無料開放区間を走って鵡川町からr74でR237にショートカットする。二風谷ダムを見た後、北上を続けて日高町へ向かう。R237とR274の交差点角にあるコンビニに着いたのは8:30頃。この頃になるとライダーが移動を開始するので、すれ違う度にピースサインを出し合ってお互い挨拶を交わす。北海道に来た実感がわく。

 R274の日勝峠を越して十勝清水に抜ける。ZRX1100で走ると非常に楽にR274の急勾配区間をクリア出来た。去年ZRX400で走った時とは大違いだ。こういう時大型バイクは楽だと思う。

 十勝清水からR38で帯広を抜けて東に向かう。昆布刈展望台に行こうと思いr1038に入るが、r1038は途中から深砂利ダートになっていて危うく転けそうな目に遭ってしまった。深砂利ダートの峠道を走る気になれないのでR38に引き返した。r1038に入った時に地元のおっちゃんに呼び止められ、『この先ダートだから大型バイクでは行かない方がいいよ』と言われていたのだが、まさにその通りであった。地元の人の忠告は聞くものである。

 思わぬロスタイムでR38を急ぐ。遅い車やトラックを抜いて走るが、取り締まりをしていそうな直線区間では大人しく走る。白糠町に入った所の登坂車線のある上り坂で登坂車線側から抜いて行った車にキレて、そいつを120k/hで追いかけ始める。頂上手前で正気に戻り、アホらしくなって減速し休憩しようとパーキングに入ると、そこにはパトカーが停まっていた。あのまま走っていたら60k/hオーバーで免停を喰らうところであった。

 パーキングに山形から来たオフライダーがいたのでしばらく話す。ねぶた祭りに参加した後、そのまま北海道に渡って来たとか。ねぶた祭りの衣装がくくりつけてあった。オフライダーと話していると、運の悪いライダーがパトカーに捕まっていた。明日は我が身、気を付けねば。オフライダーが出ていった後、入れ替わりで入って来た車で札幌に帰る途中の会社員のおっちゃんにリポDを貰いしばらく話す。

 R38を東に走り、R240からr53に入り鶴居村に向かう。鶴居村の湿原温泉に入ってからR274を走って標茶に抜ける。標茶からR391を北上して美留和にある民宿(とほ宿)『ましゅまろ』に到着した。1年ぶりの再訪である。

 今日の宿泊客は神戸の女子大生Mさんと音楽家のショトガン・ビリーさんと私の3人。この日の晩はビリーさんの生演奏&歌で盛り上がった。

(9/10の走行距離:441km)

R237沿いにある二風谷ダム。いろ

いろと議論を呼んだダム。

ダートからの脱出。万歳!

釧路湿原展望台から見た釧路湿

原。

道東のR274。交通量はめちゃ少

ない。山中をぶち抜いている。

1999年9月11日(土)

 この日は『ましゅまろ』に荷物を置いて身軽になったZRX1100で道東を彷徨くことにする。多和平に寄った後、R243を東に向かい、別海町の走古丹まで走る。海水が混じる汽水湖の風蓮湖に面した漁港街はのんびりしている。防波堤に釣り人がいるだけの静かな漁港であった。

 R244を北上して去年行けなかった野付半島に向かう。先端には灯台しかなく最果ての地という感じがする所。ここにはトドワラ(海水に浸食され立ち枯れしたトド松の根)の展望所がある。しかし、ここは完全に観光地化されていて人だらけ。トドワラを見て回る遊歩道は人が多く、落ち着いて回れなかった。北側(国道寄り)の沿道にはトドワラの湿原もある。

 パラパラと小雨が降る中、R244根北峠を越す。峠で日本一周中のカブライダーに出会う。カブだとゆっくり出来て、走っているといろんなモノが見えて来るのでおもしろいそうだ。こういう楽しみ方もあるのは知っているのだが、なにせ時間がねぇ〜。KSRUで北海道ツーリングも良いかも・・・。越川温泉に入るつもりが、入りそびれてしまい斜里市街に入ってしまった。

 斜里からr1115〜r805でR391にスイッチする。越川温泉に入り損ねたので、川湯温泉つつじの湯に寄る。温泉に入る時は曇っていたが大丈夫だと思い温泉に入る。しかし温泉から出てくると外は土砂降りとなっていた・・・慌ててバイクに掛けて置いたメットを外す。温泉横の公民館のスロープで雨具を付け濡れたメットをかぶり、土砂降りの中を『ましゅまろ』に帰った。土砂降りの真っ暗な道を走るのは大変疲れる。

 この日の晩も、ビリーさんの生ライブで宴会は盛り上がったのでした。

(9/11の走行距離:304km)

JR釧網線の直線区間の線路に寝

転がる作り人。子供は真似しちゃあ

かんで。

風連湖にて。あるのは湖だけ。

野付半島の先端にある『トドワラ』。

1999年9月12日(日)

 昨晩はかなりの大雨だったが、朝になると快晴の天気となった。この日は『輓馬競馬競技大会』の日。朝から車に分乗してみんなで見に行く。去年参加した『人間ばんば』に何故か参加することになってしまう・・・2年連続である。『人間ばんば・リベンジ』だ。今年は女性チームも参加することになっていたので、『ましゅまろ』から2組出場となる。

 この日は北海道とは思えないほどのうだるような暑さ。日差しが痛い・・・輓馬競馬が続く炎天下で、私らはビールを飲んで昼飯を食べて『人間ばんば』に備える。13時過ぎに『人間ばんば』開始。女性チームは4位入賞。男性チーム(チーム名『ショットガン・ビリー』)も堂々3位入賞。今年は参加者全員に秋田小町が配られ米30kgをゲットする。今年のソリは重かった。恐らく50kgはあったのではないか?競技終了後、膝はケタケタ笑い、息切れで酸欠状態に陥った。もうあかん・・・私は今年で『人間ばんば』現役引退である。

 『ましゅまろ』に帰って休憩する。30分ほどして体力が回復すると、皆で『クリーム童話』にソフトクリームを食べに出かける。車に乗れなかったので、私とM君はバイクで後を追う。ソフトクリームを食べた後、私とM君は、川湯温泉公衆浴場に入り、その帰りに硫黄山に寄って温泉卵を買って帰った。

 夕食後、今度はヘルパーのMさんと東京の写真家S君の車に分乗して三香温泉に向かう。残念なことに入浴時間が過ぎていたのでコタン温泉に行く。コタン温泉公衆浴場に入っていたが、やはり露天風呂にも入りたくなったので、タオルで前を隠しただけの格好で約30m離れた露天風呂に移動した。先に露天風呂に入っていた人達は、突然現れた全裸の男4人の襲来にかなり焦っていた。

 宿に帰ると宴会が始まる。ビリーさんの生ライブは、本人の疲労により開催中止。宴会では酒を飲んで、皆でいろいろな話をして盛り上がった。こういう過ごし方を知っている我々は幸せだとつくづく思う。

(9/12の走行距離:23km)

大迫力の輓馬競馬。間近で見るとさらに迫力倍増。

ポニーもがんばる!

チーム『ショットガン・ビリー』は堂々3位入賞。秋田小町計30kg

をゲット!この後、わたしはヘロヘロになる。

女性チームは4位入賞。大健闘の『ましゅまろ』チーム。

1999年9月13日(月)

 この日も朝から快晴。今日は美瑛に移動となる。ビリーさんに2階から見送られて『ましゅまろ』を後にした。晴れた摩周湖を見てから弟子屈を離れる。R241で阿寒湖方面に移動。途中の双湖台でチャリダーと出会う。連日の暑さで参っているとか。確かに今年の北海道は暑すぎる。温暖化の影響だろうか?

 阿寒湖からR241で足寄に抜ける。さらに士幌からR273に入り北上する。毎年走るお気に入りの道で、樹海の中を快走する。去年は寄ろうとしながら入口を通過してしまい寄らなかった幌加温泉に今年は寄る。入ろうと思い始めて3年目でようやく入る事が出来た。宿の内湯と宿から離れた所にある無料露天風呂の両方に入ったのは言うまでもない。

 三国峠を越してR39に入る。層雲峡を抜けた辺りからいきなり渋滞。すり抜けして先頭に出ると、足寄のR241で100k/hで追い抜いた私を、さらに約120k/hで無理矢理追い越して行った大型トラックが、事故って路肩に突っ込んでいた。そういや道の駅『足寄湖』で話したトラックの運ちゃんが、鮮魚運送のトラックはめちゃ飛ばすと話していた。時間との闘いだろうけど事故ったら全てが終わり。無茶な運転は事故を招くと言うことだ。バイクにも言えることですけどね。気を付けよう。

 去年と同じく、愛別からr140を走って旭川市街をパスしてR237にショートカットする。そして北海道の定宿となった『星の庵』に17:30頃に到着。1年ぶりである。今年で3年連続となるのだが、美瑛に来ると懐かしい感じがするのは何故だろう?

 1年ぶりの『星の庵』では、なんと去年一緒に美瑛を彷徨いたT君と偶然再会。大学の友達と3人で北海道ツーリングに来ているという。お互いびっくりした。偶然とはおもしろいものだ。

(9/13の走行距離:327km)

『ましゅまろ』出発前に記念撮影。

今年も摩周湖は晴れていた。風が

あり湖面に波がたっている。

双湖台で出会ったチャリダー。名前

と住所を聞くの忘れた・・・

1999年9月14日(火)

 97年、98年と私が美瑛を訪れるたびに台風が来たりして北海道は大雨となったが、今年はそんなことなく快晴となった。『雨男』の名は返上である。

 出発するT君達を見送ったあと10時頃までゴロゴロする。10時過ぎから風景を探しにバイクで美瑛をあちこち彷徨く。何も考えないで走っている時に偶然見つける風景がいいのだ。タイトルバックの写真も道を走っていて偶然見つけた風景。(正面の山は大雪山)

 それにしても最近の美瑛の変貌ぶりは驚くばかりだ。有名になった丘や木の周囲には、駐車場と土産物屋が出来てしまい、その部分だけ完全に浮いてしまっている。何もない所にある木や丘だから『絵』になっていたのに・・・人工物を造ることでその景観をぶち壊していることに気付いているのだろうか?『星の庵』近くのセブンスターの木周辺も、道路の拡張工事と駐車場の工事が行われていた。完成したら造られた風景を見に来る人達が押し寄せるのだろう。年々美瑛が寂しくなる。

 この日の晩は、12日の『人間ばんば』の疲れが出たためか、早くも20時頃からダウンしてしまい、夜の宴会に参加出来なかった。残念。

(9/14の走行距離:70km)

美瑛のお気に入りポイントにて。

水沢湖をバックに。今年は水沢湖全

体を眺められる場所を見つけた。

1999年9月15日(水)

 出発組を見送ってから10時頃に『星の庵』を出発する。まずは北に向かいJR比布駅に寄る。知っている人は知っていると思うが、10年ほど前TVのCFで一時有名になった駅だ。

 比布を後にしてR40を北に向かう。塩狩峠を越して塩狩温泉に寄る。今夜の小樽発のフェリーで帰ることになっているのだが、温泉を出た後もひたすら北に向かう。名寄を越して美深まで来てようやく北上をやめる。ここからR275で札幌に向かう。

 美深峠を越して朱鞠内湖を見てからさらに南に進む。R275は整備された2車線国道。交通量は少なく、結構良いペースで走ることが出来る。北竜町から南は、R12の裏道となるので車・トラックが多くなるが、流れがよいので比較的スムーズに進む。R275道の駅『つるぬま』で、荷物満載の岡山ナンバーのVXに出会う。日本一周中なのだが、北海道には10月中旬まで居るとかで、これから札幌近郊でバイトして過ごすという。こういう旅もあるのだ。

『星の庵』出発前にオーナーと宿泊者の人

達と。

『比布』と書いて『ぴっぷ』と読む。昔、TVCFで有名

になりました。

朱鞠内湖は日本最大の人造湖。

 R275を走り当別町に着く。信号渋滞ですり抜けした後、何故か後輪が滑る。『?』と思い見てみると、ガラス片が突き刺さっていてパンクしていた。『おぉ〜?ぱぱぱぱぱぱ・・・んくぅ?』焦る。とにかく焦る。旅先、よりにもよって北海道でパンクとは!一瞬頭の中が真っ白になるが、平静を取り戻して状況判断する。『パンクだ・・・』

 すぐ近くのGSに駆け込む。車用の修理キットしかなく応急修理だけしてもらう。近くに祝日でも営業しているバイク屋があるというので教えてもらう。GSから約300mほど離れた所にある『伊藤商店』というバイク屋さんがその店。バイクで急いで駆け込むと、バイク屋の主人もそろそろ店を閉めようとしていたところだったとか。荷物を下ろしてバイクを店の中に入れる。傷は予想以上にひどかったが、店の主人のおかげでパンクを修理できた。あともう少し横に広がっていたら修理不可能でタイヤ交換となるところだったとか・・・。街中でパンクしたから良かったものの、誰もいない山中や高速走行中にパンクしていたらと思うとゾッとする。余り考えないでおこう・・・これから長距離ツーリングでは、チューブレス用のパンク修理キットを携帯しよう。

 江別西ICから高速に入る。後輪がああいう状態なのであまり速度は出せない。最高速度80k/hで大人しく走る。大型バイクなのに飛ばせないのはつらいものがあるが、パンクして事故るよりはましだ。札樽道金山PAに入り後輪チェック。大丈夫だ。とりあえず安心して小樽に向かう。70〜80k/hを維持して走り、19:30少し前に小樽フェリーターミナルに無事到着する。北海道最後の日は、こうしててんやわんやの内に終わったのだ。

 小樽FTで、いろんな所から来て北海道を走り回った連中と色々と話す。初めて会うのに、北海道を走って来たということだけですぐに打ち解けることが出来るのだ。

 トラックの積み込みが遅れてしまい、乗船したのは23時頃。それまでの約1時間もの間、ライダーは排ガスのかかる場所で待たされた。小樽港を就航したのは定刻より遅れること15分の23:45であった。

(9/15の走行距離:400km)

23時過ぎ、フェリーは小樽FTを出

航する。FTの新日本海フェリーの建

物が遠のいて行く・・・

1999年9月16日(木)

 フェリーは順調に進んでいた。フェリーの中ではやることがないので、知り合ったライダー同士で色々と北海道の話をして時間を潰す。太平洋フェリーのようなイベントがないので退屈だ。寝たり、船内をウロウロしたりして時間を潰している間にフェリーは敦賀港に定時に到着した。

 敦賀フェリーターミナルを20:40頃に出発する。北陸道に入るが、後輪の一件があるので、やはりここでも最高速度80k/hに自主規制して走る。横をトラックが猛スピードで追い抜いて行く。名神に入り、トラックだらけの高速を西に向かう。大津SAで休憩。後輪は大丈夫だったが、バックのキャリアを固定しているナットが外れていたので締め直す。

 大津SAを出て京都南ICを過ぎるて天王山TNを越すと大阪に帰って来たという実感が湧く。吹田JCTから近畿道を走り、松原JCTを越すと日常生活に帰ってきつつあることを感じ始める。阪和道岸和田和泉ICを下りて自宅に着いたのは、日付が変わった17日0:43。

 13日間の長距離ツーリングは無事に終了。自宅に住み着いている野良猫一家の出迎えを受けたのであった。

(9/16の走行距離:228km)

(東北&北海道ツーリングの総走行距離:3329km)

新日本海フェリーの敦賀・小樽便

は、高速船で風が強いために外に

出られる甲板は制限されている。

ZRX後輪のパンク跡。タイヤ右端にある、踏んづけたガムの様にへばりついているのがパンク修理跡なのだ。

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