北海道・東北の峠

 

 北海道・東北には走って爽快・豪快な峠が数多くあります。関西から遠く離れているのでなかなか走りに行けませんが、ツーリングで訪れた時には出来る限りの峠を越しています。ここではバイクで走った峠の内、主な峠を載せています。

 【更新情報】 

2000.12.04 『塩狩峠』と『石北峠』を追加しました。

☆★☆ 掲載リスト ☆★☆

◇北海道の峠:/根北峠知床峠狩勝峠三国峠幌鹿峠日勝峠美幌峠美深峠塩狩峠石北峠

◇東北の峠:/見返峠/甲子峠(→この道国道?R289

根北峠 (北海道)

 知床半島の付け根付近に位置するR244の峠。ひたすら森の中を走り続けるアップダウンのある2車線の峠道。一部に急カーブがあるがほとんど緩やかなカーブで走りやすいが、霧が出たりすると視界が悪くなります。

 交通量は少ないのですが、大型トラックが結構なスピードで走る時もあるので、自転車で走る時は目立つ格好で走った方が良いでしょう。

 森の中を走るので鹿の横断が結構あるようです。ブラインドカーブの先に鹿がいるかも知れませんので、注意して下さい。

(1995年9月/99年9月走行)

知床峠 (北海道)

 知床峠は北海道知床半島にあるR334の峠。場所が場所だけに、走れるのは5月〜10月中旬までで1年のうち約半年は雪に閉ざされるという走行期間限定の峠道。北側の斜里町と南側の羅臼町とを分ける峠でもある。

 羅臼町市街からR335からR334に入ると緩やかな勾配の2車線坂を上るが、それは序の口。熊の湯を過ぎた辺りにあるゲートを越すと峠区間に入り、急勾配・急カーブの連続するワインディングに変貌する。最初は大きいカーブだったが、途中からは標高を稼ぐために小さいカーブが連続するようになる。とても景色を眺めてゆっくり走る場合ではない。途中にある見返り峠を越すと、晴れていれば前方に羅臼岳が見えてくる。この辺りから勾配は少し緩くなり急カーブも少なくなり、やがて標高738mの知床峠に到着する。

 峠にはパーキングがあり、晴れていれば羅臼岳を眺めながら休憩出来る。R344を渡った所にある展望台からは晴れていれば国後島など北方領土が見えることもある。

 峠を越すと斜里町に入る。北側は急カーブは少なくやや急な勾配がだらだら続く区間。晴れていればオホーツク海を目指して下ることになる。こちらは景色を楽しむ余裕は少しはあるが、あまり注意を怠ると事故るのでほどほどに。

 カムイワッカの滝に向かうr93の分岐点を過ぎると少し急なカーブがあるが、そこを過ぎるとウトロ市街に到着し峠区間は終わる。

1.快晴の峠にて。羅臼岳を撮る。

2.峠の看板。展望台の下にある。

☆★☆ 知床峠 ☆★☆

 知床半島は、羅臼岳(知床峠)を境にして北側と南側で大きく天候が変わります。羅臼側では晴天だったのにウトロ側に入ると雨が降っている(その逆も)ということはよくあること。バイクで走る場合は雨具は必ず必要です。またそのような場合は峠前後で霧が発生していることが多く、霧で前方が全く見えないことがあります。特に分水嶺付近ではパーキングから展望台に渡る横断歩道を歩いている歩行者がいることが多いので注意が必要です。霧の時、峠に着いたならばクラクションを鳴らしながらゆっくり走ることを勧めます。

 1995年9月に、私が初めて知床峠を走った時(ウトロ側から)は、標高500m付近から霧となり峠前後では視界ほぼ0mという状態でした。センターラインや次のカーブが右か左か分からなかったり、バスに追突されかけたこともありましたが、無事生きて羅臼に到着した時の疲労は大変なものだったのを覚えています。

 そんな知床峠ですが、年に(走行可能期間に)数日だけ羅臼側・ウトロ側の両方とも快晴という日があります。1998年9月に訪れた時はまさにこの時。羅臼側もウトロ側も快晴で、羅臼岳がくっきりと見えました。これだけは運です。

 知床峠のR334(知床横断道路)は、10月に入ると雪が降り始め10月下旬〜4月下旬までは積雪のため通行止め(通行不可能)になります。開通直後は雪の回廊の中を走れますが、5月に入ってからでも凍結・積雪があります。9月下旬でも峠は結構寒いのでそれなりの装備が必要です。

 知床峠を自転車で走る人もたくさんいますが、かなりの時間・体力・気力が必要です。バイク・車の場合、チャリダーさんを引っ掛けないないように。また、大型バスなどの後ろに着いた場合は諦めて大人しく走りましょう。無理な追い越しは事故を起こします。毎年数件の事故が起きています。 

 知床横断道路は、バイクで北海道を訪れたのなら必ず走って欲しい峠道。走っても損はしません。天候だけは保証出来ませんが・・・

(1995年9月/98年9月走行)

狩勝峠 (北海道)

 南富良野町と新得町を分けるR38の峠。2ケタ国道の峠道だけあって、かなり整備されており走りやすい峠道です。峠の南富良野町側はカーブの少ない樹海の中をぶち抜く快走路です、新得町側の区間は勾配のあるカーブが多いワインディング区間。交通量が少なければ快走出来る峠ですが、大型トラックなどの通行量が多いのでなかなか快走出来ないのが実状です。

 峠には土産物屋とパーキングがあります。パーキングを挟んだ向かい側には展望台があり、十勝平野を一望出来ます。パーキングと展望台間は横断歩道でR38を渡るのですが、南富良野側から峠道を上りきった所にこの横断歩道があるので上り坂での速度の出しすぎには注意をして下さい。。

(1997年9月走行)

狩勝峠の展望台から見た十勝平野。景色は良い。

三国峠 (北海道)

 北海道の背骨である日高山脈の東側を走るR273の峠が三国峠。R273自体が樹海の中を北上する2車線の快適国道で、三国峠はそのクライマックスとも言える。

 帯広から北上してTNをいくつか越えて糠平に着く。GSはここから先は、層雲峡付近までないので給油が必要な場合は糠平ですることを勧める。糠平湖に沿ってアップダウンのある快走2車線道路が続く。糠平湖を過ぎると平坦な区間となる。時々廃線となった旧国鉄士幌線の廃線跡が見える。旧国鉄十勝三段駅付近まで平坦な2車線道路だが、やがて勾配がきつくなり標高を上げ始める。高速道路のような半径の大きなカーブを曲がると急勾配の道を上り三国峠パーキングに到着する。

 パーキングを過ぎるとすぐに三国TNで三国峠を越えて上川町に入る。TNを抜けると勾配のある道となり大雪湖に出る。大雪湖畔は平坦な2車線区間。淡々と走って樹海TNを抜けると石狩川を渡ってR39に合流する。

1.三国峠のどでかい看板。

2.三国峠からの眺めは良い。

3.全長1139mの三国TN。スノーシェ

  ルター付。TN南側の出入口付近は注

  意。

☆★☆ 三国峠 ☆★☆

 三国峠は、バイクで北海道を走るならば是非とも走って欲しい峠。その豪快さ、気持ちよさは実際走らなければ分かりません。もし走るならば帯広からR273を北に向かって走ることを勧めます。私は97年に初めて走って以来、三国峠を走る時は必ず南→北に向かって走っています。

 信号がない直線区間が多く、時々100k/h位で爆走する大型トラックや大型トレーラーがいますが、それらを除けば全体的には交通量は多くはなく気持ちよく走ることが出来ます。

 三国峠には土産物屋と食堂があります。展望台もあり、ここからの樹海の眺めはなかなかのもの。この三国峠パーキングは三国TNの南側出口を出た所にあるので、北側から南下した場合はTN出口手前で減速しないとパーキングから出てきた車と事故を起こしかねないので注意して下さい。また逆にパーキングへの出入りも要注意です。

  冬期は通行止めはないそうですが、路面凍結・積雪があるので走る時はそれなりの装備をする必要があります。

(1997年9月/98年9月/99年9月走行)

幌鹿峠 (北海道)

 鹿追町と上士幌町を結ぶr85の峠。鹿追町から北上し、自衛隊然別演習場を見下ろせる扇ヶ原展望台を過ぎ白樺峠を越して然別湖湖畔に出ると、r85は1.5車線の見通しの悪い道となる。然別湖を過ぎると、狭い2車線の急カーブ・急勾配の峠道となり幌鹿峠を越える。峠を越えるとブラインドカーブの続くワインディングが連続する。ウネウネとカーブをいくつも過ぎると、糠平に到着しR273と合流する。

 

 幌鹿峠区間はブラインドカーブの続く山中のワインディング。気分爽快に走ることが出来ますが、時々野生の鹿が飛び出して来ることがあるので注意が必要です。97年9月に幌鹿峠をバイクで走った時、カーブを曲がったら正面に鹿がいたことがありました・・・鹿はすぐに逃げたので事故にならなかったのですが、ここに限らず北海道の峠は何が横断しているか分からないので、ゆっくり走るべきでしょう。

(1997年9月走行)

日勝峠 (北海道)

 日勝峠は、北海道の背骨である日高山脈をぶち抜いて走るR274の峠。『日高』と『十勝』を分ける峠ということで付けられた峠名。R274自体が新しい国道なので、峠道としてはめちゃ新しい部類に入る。

 日高町市街からR274を十勝清水に向かって走る。市街を抜けると、しばらくは平坦な2車線道をたんたんと走る。典型的な北海道の道で周囲には何もない。やがて『1合目』と書かれた動物の絵入り標識が現れると峠区間に入る。徐々に勾配がきつくなり始め急カーブも現れてくる。一部のカーブにはスノーシェルターが設置されている。いくつかカーブを曲がり、日勝TN手前のスノーシェルター付きカーブを曲がった所で『頂上』と書かれた標識に出会い、標高1023mの峠に到着する。

 峠付近は展望台はなく、日高→十勝清水方向にのみ待避帯がある。この待避帯に『日勝峠』と書かれた石碑がある。待避帯の付近からダート道が山中へ進んでいるのだが、この先は小さな広場になっている。こちらが本当の『日勝峠』なのだろうか?

 日勝TNを越すと十勝地方に入る。日勝TNの十勝清水側には展望台があり、晴れていれば十勝平野を一望出来る。この展望台も日高→十勝清水方向にあるが、カーブ入口にあるので、特に反対車線から入る時は注意がいる。急勾配・急カーブで山腹を一気に下り清水ドライブインを過ぎると、勾配は緩くなって十勝清水市街へ向かい、やがて市街に入り峠越え区間は終わる。

1.何合目かを示す標識が設置されてい

  る。2種類の絵柄がある。

2.頂上に到着。この約100m先が峠。

3.日勝峠の石碑と表示がある。

☆★☆ 日勝峠 ☆★☆

 R274の夕張〜十勝清水間は札幌〜道東間の大動脈。日勝峠区間も含めて、この区間のR274は大型トレーラや大型トラック・大型バスの通行量が大変多い道です。大型車の後ろにつけば最悪。せっかくのツーリング・ドライブの楽しみは消滅し、排気ガスを浴びてトロトロと走らねばなりません。勾配がかなり急なので、途中何カ所か登坂車線付きの坂が設置されています。大型トレーラやトラック・トロい車は出来る限り抜いておいた方が良いでしょう。

 他の区間では見通しの悪い急カーブが多く、路面状態が良くない区間もあります。全区間追い越し禁止です。

 なお日高町市街〜日勝峠〜十勝清水市街の間にはGSはないので、両市街で必ずガソリンのチェックと給油をしておいて下さい。

(1998年9月/99年9月走行)

美幌峠 (北海道)

 屈斜路湖を見下ろせる標高約490mのR243の峠。美幌町と弟子屈町とを分けています。R243の屈斜路湖畔から峠までは急カーブ・急勾配の連続する2車線ワインディングですが、峠を越えた美幌町側はカーブの少ない勾配ある峠道となっています。

 バイクで走ると、カーブが連続する峠道で結構走りがいがある道。ただし、大型トラックや観光バスの通行が多いので前を走っていたら諦めてゆっくり走りましょう。

 峠にはパーキングがあります。ここにバイクを停めて展望台から屈斜路湖を一望する事ができます。ここからの眺めは大変良いのですが、残念なことに土産物屋が大音量で演歌をエンドレスに流し続けており、せっかくの雰囲気をぶち壊してくれています。

 屈斜路湖を一望できる展望台は、他に美幌峠北側の藻琴山展望台と南側の津別峠展望台があります。

(1998年9月他走行)

美深峠 (北海道)

 朱鞠内湖の北側にあるR275の峠。美深町と幌加内町との境の峠。峠を越えるR275は2車線の快適国道。カーブは少ないが、勾配がややある坂道が延々と続きます。峠区間の交通量は少ないので自分のペースで走ることが出来ます。

 峠の標高は443mで、峠としては一般的な標高。

(1999年9月走行)

見返峠 (岩手県)

 八幡平を貫くアスピーテライン(r23:県道西根八幡平線)の峠。岩手県と秋田県との境でもあります。道は整備された2車線道路で、標高1560m付近まで上ります。

 峠前後は緩やかな勾配の道なのですが、岩手県側の柏台〜八幡平温泉間と秋田県側の後生掛温泉〜峠の間は、急勾配・急カーブが続くワインディング区間。スピードを出すと曲がりきれずに事故を起こすかも知れません。前を観光バスが走っている場合は、大人しく走るべき。柏台〜八幡平温泉間はスノーシェルターが設置されています。

 峠には駐車場(有料)があり、八幡平への登山口にもなっています。峠付近は登山者や観光客がウロウロしているので走る時は注意が必要です。峠からの展望は素晴らしいとのことですが、あいにく私が訪れた時は霧が発生していて何も見えませんでした・・・

 

 アスピーテラインの秋田県内には後生掛温泉や大深温泉、岩手県内には八幡平温泉などの温泉があります。ワインディング走行で疲れても、麓の温泉で疲労回復が出来ます。バイクツーリングでは是非ともコースに組み入れてもらいたい峠道です。走って損はありません。

 なお、冬期は凍結・積雪により通行止めとなります。

(1999年9月走行)

塩狩 (北海道)

 旭川の北にあるR40の峠で、三浦綾子の『塩狩峠』で有名な峠です。峠の名の由来は、『天塩』と『石狩』を分けるところから来ています。

 かつては急カーブの連続する事故の多い峠道でしたが、1991年(平3年)10月に現在のBPが開通してかなり走りやすい峠道になりました。峠の分水付近には休憩所が設けられ、公衆便所の横の広場には立派な石の碑が建てられました。写真はBPの『塩狩峠』の石碑。

 旧道は『塩狩峠』と書かれた木柱が立っていたそうですが、現在どうなっているかは不明です。

 峠区間のR40は快適な2車線道路。峠自体の標高は249mほどですので、緩やかな勾配が続きます。登坂車線が設置されているので、大型車が走っていてもそう気にしないで走ることが出来ます。塩狩パーキングはR40の旭川方面車線に設置されているので、出入りの時は注意が必要です。

(1999年9月/2000年9月走行)

石北 (北海道)

 旭川の東側にあるR39の峠で、峠名の由来は『石狩』と『北見』を分けることから来ています。峠前後は2車線の急カーブが連続するワインディング区間で、勾配も少し急になっています。峠の北見側には一部にブラインドカーブが連続する区間があることから、現在カーブを解消すべくBP工事が進行中です。峠の西側である上川町内のR39でも整備が進められています。

 峠の分水嶺には土産物屋がありますが、駐車場が狭いので車で入るときは空きがないか確認してから入るべきでしょう。パーキングから階段を上った所に展望所があります。ここには登っていないのですが、眺めは良さそうです。

(1997年9月/2000年9月訪問)

1.北見側から上って行くと、日勝峠と同じ

  く1合ごとに標識が設置されています。

2.石北峠の分水嶺にて。頂上の標高は

  1050mだそうです。

3.峠のパーキングにある峠の標。

TOP

峠を越えて