関西の峠

 

 関西の2府4県の峠は、標高は高くないものの歴史の古い旧街道の峠が結構存在します。それらの峠のほとんどは、地方主要道やいわゆる3ケタ国道の峠。なかにはバイク走行禁止という峠もあります。走って気分爽快になる峠道は少なく、走って疲れる峠道が多いというのも事実。整備される峠道は交通量の多い道路に限られますからね・・・

 関西の峠は、あちこちと頻繁に走っていますが、ほとんどが『3ケタ国道走行記』で走っていますのでそちらを見て下さい。

☆★☆ 掲載リスト ☆★☆

◇大阪府の峠:暗峠(→R308)/竹内峠(→OR166)/蔵王峠(→r61)/紀見峠(→OR371)/鍋谷峠(→R480)

◇兵庫県の峠:鳥ヶ乢・高野峠・青垣峠・榎峠(→R429)

◇京都府の峠:前ヶ畑峠・百井峠・花脊峠(→R477)

◇滋賀県の峠:桜峠(→R422)

◇奈良県の峠:佐倉峠地蔵峠小南峠/天辻峠(→OR168)/川合峠・笠木峠・水越峠(→OR309)/

木津峠・高見峠(→OR166)/出屋敷峠

◇和歌山県の峠:蟻越峠(→R169)/箕峠(→R371)/牛廻越(→R425)/梨の木坂(→R480)/雄ノ山峠大川峠

【以下の国道・旧道・府道から戻る場合はプラウザの『戻る』を使用して下さい。】

R169 R308 R371 R422 R425 R429 R477 R480

OR166 OR168 OR309 OR371

r61

佐倉峠 (奈良県)

 奈良県菟田野町と東吉野村の間にあるR166の峠。菟田野町側からだと急勾配・急カーブの峠道を上ると峠に到着。峠を通過すると急勾配だがカーブの少ない道が続く。バイクだと結構走れる峠だが、自転車だとだらだらと勾配のある坂道が続くのでしんどいかも。

 冬期は路面凍結・積雪がある。

(年数回は走行)

地蔵峠 (奈良県)

 『地蔵峠』という名の峠はあちこちにある。たいてい峠に地蔵様があることから命名されているのだが、奈良県黒滝村の地蔵峠の名の由来も峠に地蔵様があることから。

 地蔵峠を越す道は旧r48。r48地蔵TN北口の手前から分岐する1.5車線路の道に入ると、急勾配・急カーブの連続する道のまま集落内を通過して峠に向かう。峠には地蔵様が祭られている祠がある。峠を越すと少し急な1.5車線路となって地蔵峠南口の真ん前に出てくる。

 地蔵峠を越す車は地元車と路線バス以外にはほとんどない。本当に静かな峠である。

(1999年12月走行) 

小南峠 (奈良県)

 小南峠は黒滝村と洞川村を分ける峠で、r48最大の難所で険道区間である。

 河合神社前の完全1車線のr48に入って数軒の民家の軒先をかすめるように通過すると、いきなり山中に入り急勾配のある坂道区間になる。車幅は完全1車線で舗装はされているがコンクリートによる簡易舗装が多い。所々剥がれていて路面状態は悪い。昼間でも薄暗い谷底区間をしばらく走る。回転半径がめちゃ小さい急勾配のカーブを幾つか曲がると、陽が射す山腹に出てくる。正面に見える高い山の山腹に白い筋が見えるのだが、その白い筋はこれから走るr48。これからかなり標高を上げることが分かる。

 完全1車線幅のまま再び深い山中の急勾配・急カーブの連続する道をウネウネと走ると、やがて先ほど走って来た道が足下に見えてくる。かなり標高が高く吉野の山々が一望出来る。荒れた道をしばらく走ると、いきなり立派なTN入口に到着する。r48は小南峠をTNで通過するのだ。

 このTN入口は、97年頃までは岩肌むき出しで『隧道』という雰囲気が漂っていたのだが、98年頃に崩落防止のためにTN入口だけ改修されてしまい立派な入口となってしまった。しかし内部は昔のまま。岩肌むき出しで水滴が落ちる無照明の素堀りTN。路面は舗装されているのでオンロード車でも走れるが、TNの幅が完全1車線でバイクと車やバイク同士のすれ違いすら不可能。このTNは先入車優先である。

 このTNを出ると小南峠を越えて洞川村に入る。洞川村に入ると山深い所を通る急勾配・急カーブの連続する荒れた1車線道路となる。車同士のすれ違いもままならない。対向車が来ないことを祈りつつ走ると道はいきなり2車線道となり、そのまま洞川温泉街に下る。

1.河合神社前から峠に向かう。

2.黒滝側の谷底区間。こんな感じの道が

  続く。

3.改修された黒滝側のTN入口。入口は

  ただのTNになってしまったが、内部

  は昔のままの素堀TN。

4.昔のTN黒滝側の入口。今ではコンク

  リートで補強・改修されている。これし

  か写真がなかった。

5.昔のTN洞川側の入口。こちらも黒滝

  側同様に補強・改修されてしまった。

6.洞川村内のr48。この先急勾配・急

  カーブが続く。

☆★☆ 小南峠 ☆★☆ 

 小南峠のr48は一応舗装されてはいるが、あちこち舗装が剥がれている路面の荒れた完全1車線が続く。急勾配区間が多く、何カ所か急カーブもある。待避帯と呼べるモノはなく、車同士のすれ違いはかなりしんどいモノがある。車では軽自動車が丁度の道で、普通乗用車で走るのはかなりしんどい。ワゴン車やRV車での走行は不可能だ。バイクでは大型バイクで走れないことはないが、取り回しがかなりきつい。2人以上で行くことを勧める。

 r48の小南峠越区間は黒滝から洞川温泉街に抜ける本当の裏道。走るのは地元の方と山林作業をする人達の車ぐらい。車では走り慣れていないと本当に危ない。洞川温泉から帰る時は、無理しないでR309で下りることを勧める。興味本位で走らない方が良い峠道だ。ちなみに小南峠区間には公衆電話はなく携帯電話も繋がらない。人家も麓にしかない。

 晩秋〜冬期は凍結・積雪がある。暖かかった1999年12月初っぱなに走った時、峠のTN入り口付近はもう凍結していた。冬期は通行止めとなるのだろうか。

(1994年10月/97年5月/99年12月走行)

出屋敷峠 (奈良県)

 奈良県大塔村でR168から分岐して和歌山県高野町を通って奈良県五條市に抜けるr732(阪本五條線)の峠が出屋敷峠。R168天辻峠の西側にある峠で、奈良県と和歌山県の県境でもある。

 R168から入って1〜1.5車線の急勾配・急カーブの連続する薄暗い峠道を約3km走ると、奈良・和歌山県境である出屋敷峠に到着する。付近はうっそうとした薄暗い山中。『出屋敷峠』と書かれた標識などなく、『奈良県』『和歌山県』の表示があるだけ。

 ここを過ぎると和歌山県高野町に入るが、峠から高野町側は山中の1車線区間。緩やかな勾配が続くがブラインドカーブが連続するので走ると結構疲れる。谷側にはガードレールはないので車同士のすれ違いは少し辛い。全面舗装されてはいるが、路面にはコケが生え、落石や落ち葉や枝などがある典型的な山中ローカル県道区間。バイクでの走行には注意がいる。

 峠から約5kmでr733との分岐点に到着する。

(2000年5月走行)

雄ノ山峠 (和歌山県)

 雄ノ山峠は大阪府と和歌山県の境の峠。大阪・天満橋から下ってきた熊野街道(小栗街道)が最初にぶち当たる峠である。現在はr64(府道・県道和歌山貝塚線)の峠となっている。

 雄ノ山峠のr64は拡張・整備され2車線幅であるが、和歌山県側は急坂・急勾配が連続しており難所であることを伺わせる。大阪府側の山中渓近くに交互信号区間があるが問題なく走れる。海側を走るR26孝子峠と共に、大阪南部から和歌山に抜ける主要道で交通量は結構多い。r64に沿って阪和道も走っているが、阪和道のこの区間も勾配のきつい区間である。

(1999年1月他走行)

大川峠 (和歌山県)

 大川峠も大阪府と和歌山県の境の峠で阪和間の峠では一番海側にある。r65(府道・県道加太岬線)の峠であるが、峠道自体はBPTNが開通したために旧道となっている。通行止めにはなっておらず走行可能。道は2車線幅だが、大阪府側は緩やかな峠道なのだが、和歌山県側が急勾配・急カーブ区間となっている。峠から大阪府岬町までは海岸沿いに走る区間で、海を見ながらのんびり走れる区間。

 だたし、この道は昔から地元の走り屋達のメッカとなっている。特に和歌山県内は攻め込める道で、カーブの路面には黒々とタイヤの跡が残っていたりする。走るなら昼間。夜間はやめておいた方が良い。

(1999年1月他走行)

TN入口手前から別れるのが大川峠への旧道入口(和歌山側)。

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峠を越えて