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●平成19年度陸上自衛隊八尾駐屯地祭(2)【2007年(平19年)11月4日開催】

◆高機動車乗車体験

 ヘリの地上展示開始までしばらく時間があったので、その間に高機動車乗車体験に参加することにしました。その前に、『CH−47体験飛行抽選会』があったので、長い行列に並びます。CH−47に乗ることができるということで、結構な人が並んでいました。朝のUH−1の抽選会がダメだったので、「今度こそは」と意気込みます。が、今回も外れ・・・_| ̄|○ そりゃ@管理人の前に並んだ2人が連続して”当たり”の赤玉を出したら当たりませんわ・・・。翔鶴瑞鶴も外れとなり、CH−47に乗り込むことは夢となりました。(´・ω・`)

 抽選はダメなので、並べば必ず乗ることができる『高機動車体験』に参加します。高機動車体験の列に並ぶこと30分、やっとこさ高機動車に乗ることができました。

 

 

 信太山駐屯地の第37普通科連隊の車両です。今回のイベントに合わせて応援に駆けつけた模様。ご覧の通り、隊員が運転する1台の高機動車に10名前後が乗り込み走行を体験するというというもの。

 ヘリ格納庫前の決められたコースを1往復するだけです。乗り込むと300mほどゆっくり走り、くるりと向きを変え加速。高機動車の機敏な動きを体験して帰ってくるというものでした。自衛隊の車両に乗る機会がないので、貴重な体験となりました。

◆航空機展示

 高機動車体験乗車の間に航空機の展示と車両展示が始まっていました。高機動車体験乗車会場(?)を後にして展示エリアに移動します。以下、展示してあった航空機(ヘリ)です。

 まずはUH−1J。陸上自衛隊を代表する汎用ヘリコプター。元はアメリカのベル・エアクラフト社が開発したヘリで、日本の富士重工がライセンス生産をしています。原型機が初飛行してからかれこれ50年以上経過しているという長寿機です。

 本家アメリカではベトナム戦争に大量投入されたため、『ベトナム戦争=UH−1』というイメージを持ってしまいます。映画『地獄の黙示録』でそういう印象を決定的なものにしてしまいました。

 陸上自衛隊では1963年(昭38年)から導入されています。初期に導入されたUH−1

B型はすでに無く、今では改良型のUH−1H/J型となっています。H型も展示されてい

ました。H型とJ型は同じような形ですが、J型にはワイヤーカッターが上下に設けられているのと先端がやや尖っているのが外見上の特徴で 、そこで判別できます。ちなみに海上保安庁には民間機型のベル212というヘリが導入されています。

 展示飛行で軽快な動きを披露してくれたOH−1。観測ヘリコプターOH−6Dの後継機として開発された、純国産の観測ヘリコプターです。1992年(平4年)から開発を始め、96年(平8年)に初飛行に成功。翌97年に陸自に採用され、2000年(平12年)に量産機が登場しました。1機約25億円もすることから、調達はなかなか進まず、2006年(平18年)度までに24機が配備 されています。

 細い胴体なのでコクピットは縦列複座となっています。そのコクピットの上にあるのが観測ヘリの眼ともいうべき索敵サイト。赤外線カメラ、可視光線テレビ、レーザー測距装置が一体化したものだとか。ここから得た情報を相方となるAH−64Dと共有し、連携して敵を攻撃するという高度な作戦が可能になるそうです。

 だがしかし、相方となるAH−64Dがわずか13機で調達打ち切りとなってしまいました。このままこのシステムは”宝の持ち腐れ”となってしまうのかが心配です。

 今回やってきたのは明野駐屯地所属の機体です。相方となるはずのAH−64Dと来て欲しかったですね。

 UH−60JA。UH−1の後続ヘリとして導入された汎用ヘリコプター。空自・海自のUH−60J救難ヘリ、海自のSH−60J/K対潜哨戒ヘリと同型。JA型は陸上自衛隊向けの機体となっています。 海上自衛隊の一般公開でSH−60Jを見ていますが、UH−60JAと同じ機種とはいえ形状はかなり違っています。

 UH−1Hの後継機種ですが、1機あたりの価格が高いことと防衛予算圧縮の

あおりを喰らって配備計画は大幅に変更。機数を減らしてUH−1Jと平行して配備されることになったそうです。

 このUH−60JAには12.7mm重機関銃の搭載が可能となっています。当初は対戦車ミサイルランチャーの搭載も考えられていたようですが見送られています。

 CH−47J。2基のローターを持つ大型輸送ヘリのCH−47J。大出力エンジンを搭載しているため、車両の搭載と懸架能力にすぐれています。戦車は無理ですが、155mm砲をつり下げての飛行が可能です。

 航空機展示の間も体験飛行のためバタバタと飛んでいました。飛ぶと言っても滑走路上で30mほど飛び上がるだけですが、それだけでも十分ですわ。

乗りたかったなぁ・・・(´・ω・`)ショボーン

 

 AH−1S。対戦車ヘリコプターです。機体は明野の第五対戦車ヘリコプター隊所属。明野から飛んできました。

 縦列複座のコクピットに細い機幅が特徴のヘリです。UH−1が母体だそうですが、全く似ても似つかないヘリになっています。1966年に攻撃ヘリとしてベトナム戦争に参加。ベトナム戦争後の1977年に対戦車攻撃能力を持つAH−1Sが誕生しています。

 陸自には1982年(昭57年)からライセンス生産された機体が納品され、

2000年(平2年)までに90機調達されています。陸自のAH−1Sは米陸軍

のAH−1F型に相当する機体です。

 武装は機首にある20mmガドリング砲、両翼にあるロケット弾とTOW対戦車ミサイル。機首には各種センサーが設置されています。

 導入からすでに25年が経過しており、そろそろ退役時期を迎えています。AH−1Sの後続機種としてAH−64Dが選定されましたが13機で調達打ち切りとなってしまいました。後続機種が決まらないため、もうしばらくは姿を見ることができるようです。

 OH−6D観測ヘリコプター。観測ヘリ(偵察ヘリ)らしく、身軽で軽快な動きを見せてくれていました。他のヘリコプターに比べると影の薄いというか、あまり人気のない機体のようで、周囲にあまり人がいませんでした。(´・ω・`)

 観測ヘリの他にも、練習用ヘリとしても使用されているそうです。前述のOH−1の配備が進めば退役かという話でしたが、諸事情により全機を置き換えられるのは難しいとのことなので、当分は第一線で活躍しそうです。観測用ヘリから引退しても、練習用ヘリとして残りそうです。

◆車両展示

 航空機展示エリアから離れて車両展示エリアに移動します。子供向けには車両の方が向いているのか、車両展示エリアの方には家族連れが目立ちました。実際に触ったり、上ったり、座れたりするからでしょうか。

 

 

 一番手前に展示されているのが、155mm榴弾砲(FH−70)。牽引車両に牽かれて移動することになっていますが、補助エンジンが付いており、低速ながら自走も可能になっています。砲身長は6022mm。最大射程距離は通上弾で24000m、噴進弾(RAP弾)で30000m。自動装填で毎分3〜6発の発射が可能となっています。

 74式戦車。陸自の主力戦車です。第二世代の戦車としては最後発グループとなる戦車で、日本国内の事情に合わせて作られています。ウィンカーがついているとか、そういうことではなく、山が多く斜面地が多い国土での運用を考えてのこと。日本国外での運用は全く考えられていないそうです。

 実は、あめふらし@管理人が74式戦車の実車を生で見たのは今回が初めてだったりします。まさしく”来た 見た 触った”でした。(・∀・)  ご覧の通り、子供にも大人気。

子供というより父親が興奮している場合が多かったようです。

 正式採用からかれこれ35年近く経過します。870輌ほど製造された74式にも、つい

に後継戦車(TK−X)が登場しています。ただすぐに全車両が置き換えられることはないので、まだまだ当分は主力戦車として

活躍することになります。

 87式偵察警戒車。戦車のように見えますが、偵察任務を主とする偵察車両です。

回転砲塔には25mm機関砲を搭載。機関砲の同軸には74式車載7.62mm機関銃を装備しています。

 キャタピラではなく、6輪のコンバットタイヤで動き回るのは、舗装化が進んだ日本の道路事情を考えてのこと。ちなみにタイヤは多少の被弾でも走り続けることができるそうです。

 公道を走ることも多いため、ウィンカーが装備されているところが陸自車両らしいと言えなくもないですね・・・。(;´∀`) 北海道では公道を走る姿をよく見かけました。

 82式指揮通信車。戦後、日本において初めて採用された装輪式装甲車で、

その名の通り通信機能に特化した車両となっています。通信車ですが、62式7.62mm機関銃と12.7mm重機関銃を装備することができます。

 3軸6輪駆動車ですが、このサイズのスタッドレスタイヤがないために冬季はチェーンを巻く必要があるとか。また運転席からの視界が悪いため、操縦には

それなりの経験と技能が要求されるそうです。(;´∀`)

 なお足回りは87式にも供用さており、よくよく見ると良く似ているのはそのためです。この車両にもウィンカーは装備されています。

 軽装甲機動車。つまりは軽装甲車両。全国の普通科連隊に配備が進んでいます。駐屯地のある町であれば、時々普通に道を走っていることがあります。北海道ツーリングでも見かけたことが度々ありました。イラクに派遣された陸自部隊も持って行ってます。

 写真は信太山駐屯地の第37普通科連隊所属の車両。屋根に見えている銃架には5.56mm機関銃または89式5.56mm小銃を据え付けることができます。

 所属する部隊などによって、軽装甲機動車にはいろんなバリエーションが登場しているとか。また陸自だけでなく航空自衛隊にも採用されています。

 地対空誘導弾改良ホーク。つまりは地対空ミサイル。低高度で侵入してくる敵航空機を打ち落とすためのミサイルです。

 八尾駐屯地祭りでは運搬車に載せたままの状態で展示されていましたが、実際に発射するときは発射機に積み替えられるそうです。ちなみに展示されるときのホークミサイルは本物ではなく、単なるハリボテが装備されるそうです。万が一爆発したらえらいことですからね。

 改良ホークですが、現在は03式中距離地対空誘導弾への置き換えが進んでいます。

 訓練展示で見事な動きを見せてくれた偵察バイクです。車種はカワサキのKLXというオフロードバイク。

 陸自向けということで特別な仕様なのかと思っていたら、隊員さんが言うには市販車と全く同じ仕様だそうです。あえて言うなら、エンジンガードと後部にあるトップとサイドのキャリアぐらいだとか。跨らせてもらいましたが、なんら市販車と変わりがありませんでした。

 このキャリアを装備したKLXなら荷物をたくさん積めそうですな。

◆気が付けば・・・

 時刻は1430。そろそろ駐屯地祭も終わりです。各展示航空機ならびに展示車両が撤収の準備に入りました。アナウンスが流れ、観客もぞろぞろと引き上げて行きます。

 

そんな中、74式戦車では撤収に向けての作業が始まりました。

 

 

 

 

砲塔を右に30度ほど旋回して、砲身を少しおろします。

 

 

 

 

2人がかりで砲身の中に長いモップ(?)を入れて行きます。

 

 

 

 

他の車両の乗員や偵察部隊の隊員も加わって、総勢7名で砲身掃除。

 

何度か前後に動かして砲身内のススをとっていました。

 

清掃作業展示というところでしょうか?(;´∀`)

掃除が終わると、様子を眺めていた人達から暖かい拍手が起こりました。

 

 

 

 

1440 身軽な偵察バイク隊から撤収してゆきます。

 

展示されていたヘリの周囲にあったバリケードも撤去されていました。

片づけは淡々と進んでいました。

 

バイクを見送ったあと、我々も撤収。

1445頃、駐屯地正門を出て駅に向かいました。

 

ヘリ中心の展示になるだろうと思っていただけに、74式戦車や155mm砲の空砲発射などがあったのは意外でした。

 

海自の艦船一般公開では空砲発射などはまず見ることはできないので、

空砲とは言え、実際に砲塔から火を噴く瞬間を見ることができたのは大収穫でした。

 

これははまる。

 

次回の駐屯地祭からは脚立を持って駆けつけよう。(・∀・)

 

平成19年度陸上自衛隊駐屯地祭レポ 終わり

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